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美人コンテスト編
episode603
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「やるなあ~、リッキー」
「ええ、ビックリですね」
グリーンティーを啜りながら、ベルトルドとアルカネットは驚きの表情を浮かべてキュッリッキを見ていた。
概ねギャリー達の予想と同じように、すぐに負けるだろうと思っていたから、慰める気満々で2人はスタンバっている。しかしあの様子では、タルコットのほうが負ける可能性がありそうだ。
キュッリッキが勝てば勝ったでベタベタと褒め称えられるが、この際勝敗関係なく、2人はただ、キュッリッキを撫で回してキスしまくりたいだけなのだ。
(お、おかしいぞ…)
タルコットはラケットを手のひらで転がしながら、キュッリッキがキメたドライブを頭の中でグルグル考える。
(運動神経ゼロなのに、反応速度優秀すぎじゃないのか!? しかもあんな華奢で力のなさそうな腕で、あれだけのスピードでキメるとかありえん!)
負ける可能性ナンバーワンのキュッリッキに負けたりしたら、みんなのいい笑いものだ。それだけは絶対避けなければならない。
ラリーなどせず、一気にキメて試合を終わらせる。
(泣かれるのは困るが、後始末はメルヴィンに押し付けて……手加減ナシでいく!)
タルコットは慣れた手つきでボールを打ち出した。
しかし、
「てーーいっ!」
「うそっ」
またしてもキュッリッキの華麗なスマッシュがキマった。
「なーにやってんだ、タルコットのやつ」
籐で編まれた椅子にドカリと座っているギャリーは、タバコを吹かしながらタルコットとキュッリッキの試合を見ていた。その隣に立つザカリーは、呆気に取られて目を瞬いている。
「プロ顔負けのプレイしてやんの、キューリ」
「ありゃあ、タルコット負けるな」
「よゆーで負ける負ける」
「なーなー、キューリ勝つと、次誰と当たんだよ?」
旅にまで持ってきたのか、小型のバーベルを両手で上げ下げしながらヴァルトが話に混ざってくる。
「ルーかシ・アティウスさんの、どっちかだな」
「んじゃあ、ルーとキューリがショーブか」
「いや、そうでもなさそうだぞ」
ギャリーがルーファスたちのほうへ顎をしゃくる。
3人が見つめる先では、シ・アティウスが圧倒的な強さを見せて、ルーファスは点数を取れないでいた。
シ・アティウスはガタイもよく、浴衣の袖から見える腕はガッシリと太い。白衣姿しか見たことがないので、着痩せするタイプかとゲッソリする。
どちらも戦闘系でもスポーツ系でもないスキル〈才能〉なので、傭兵としてサイ《超能力》だけではなく剣技も使うルーファスのほうが優位かと思われたが、どうやらシ・アティウスのほうに分があるようだ。
「メガネのオッサンつえーな…」
ヴァルトが眉をひそめながら言うと、ギャリーとザカリーは揃って頷いた。
キュッリッキやシ・アティウスなど、早々に負ける組と予想していた2人が大健闘している。これは、甘く見ていたようだ。
「なんか、オレらの予想と、どんどんかけ離れていく気がするぞ、この試合」
「ええ、ビックリですね」
グリーンティーを啜りながら、ベルトルドとアルカネットは驚きの表情を浮かべてキュッリッキを見ていた。
概ねギャリー達の予想と同じように、すぐに負けるだろうと思っていたから、慰める気満々で2人はスタンバっている。しかしあの様子では、タルコットのほうが負ける可能性がありそうだ。
キュッリッキが勝てば勝ったでベタベタと褒め称えられるが、この際勝敗関係なく、2人はただ、キュッリッキを撫で回してキスしまくりたいだけなのだ。
(お、おかしいぞ…)
タルコットはラケットを手のひらで転がしながら、キュッリッキがキメたドライブを頭の中でグルグル考える。
(運動神経ゼロなのに、反応速度優秀すぎじゃないのか!? しかもあんな華奢で力のなさそうな腕で、あれだけのスピードでキメるとかありえん!)
負ける可能性ナンバーワンのキュッリッキに負けたりしたら、みんなのいい笑いものだ。それだけは絶対避けなければならない。
ラリーなどせず、一気にキメて試合を終わらせる。
(泣かれるのは困るが、後始末はメルヴィンに押し付けて……手加減ナシでいく!)
タルコットは慣れた手つきでボールを打ち出した。
しかし、
「てーーいっ!」
「うそっ」
またしてもキュッリッキの華麗なスマッシュがキマった。
「なーにやってんだ、タルコットのやつ」
籐で編まれた椅子にドカリと座っているギャリーは、タバコを吹かしながらタルコットとキュッリッキの試合を見ていた。その隣に立つザカリーは、呆気に取られて目を瞬いている。
「プロ顔負けのプレイしてやんの、キューリ」
「ありゃあ、タルコット負けるな」
「よゆーで負ける負ける」
「なーなー、キューリ勝つと、次誰と当たんだよ?」
旅にまで持ってきたのか、小型のバーベルを両手で上げ下げしながらヴァルトが話に混ざってくる。
「ルーかシ・アティウスさんの、どっちかだな」
「んじゃあ、ルーとキューリがショーブか」
「いや、そうでもなさそうだぞ」
ギャリーがルーファスたちのほうへ顎をしゃくる。
3人が見つめる先では、シ・アティウスが圧倒的な強さを見せて、ルーファスは点数を取れないでいた。
シ・アティウスはガタイもよく、浴衣の袖から見える腕はガッシリと太い。白衣姿しか見たことがないので、着痩せするタイプかとゲッソリする。
どちらも戦闘系でもスポーツ系でもないスキル〈才能〉なので、傭兵としてサイ《超能力》だけではなく剣技も使うルーファスのほうが優位かと思われたが、どうやらシ・アティウスのほうに分があるようだ。
「メガネのオッサンつえーな…」
ヴァルトが眉をひそめながら言うと、ギャリーとザカリーは揃って頷いた。
キュッリッキやシ・アティウスなど、早々に負ける組と予想していた2人が大健闘している。これは、甘く見ていたようだ。
「なんか、オレらの予想と、どんどんかけ離れていく気がするぞ、この試合」
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