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華燭の典へ向けて2
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背後で閉まる扉には目もくれず、エルーシャはスタスタと歩いていく。
何も言わず、ファルクスはエルーシャの直ぐ後を付き従う。長い豪華な廊下を歩き、エルーシャは自身の宮である皇太子宮へと続く方向へと進んでいく。
無駄に広い宮廷の中庭を通り抜け、これまた広い皇太子宮の前庭を突っ切って、漸く宮の建物がが顔を覗かせる。正規のルートで皇太子宮まで行くには遠回りな上、途中専用の馬車を使うので多くの使用人や、面会を断られて待ち伏せする客人などと関わるので多少なりとも面倒なのである。
庭を突っ切るだけであれば、出入り口にいる門番が「誰それが居るのでお気を付け下さい」と言う助言があるので簡単に避けられるので面倒事が少なくていい。
咲き乱れる花々を眺めながら、庭園の小道を歩いていく。二人は、宮と庭を繋ぐ門を潜り抜けて建物へと入っていった。
「姫様。お帰りなさいませ!」
筆頭侍女と勤労時間の侍女達が、ずらっと並んで出迎えた。皇太子宮の正面入り口からではないので、居並ぶと意外と圧迫感がある。招集を掛けて来れた者だけだと分かっているが、連携はバッチリだなとエルーシャは心の中で感心する。極力情報を制限して戻って来ているので、素早い伝達と情報収集力である。
何も言わず、ファルクスはエルーシャの直ぐ後を付き従う。長い豪華な廊下を歩き、エルーシャは自身の宮である皇太子宮へと続く方向へと進んでいく。
無駄に広い宮廷の中庭を通り抜け、これまた広い皇太子宮の前庭を突っ切って、漸く宮の建物がが顔を覗かせる。正規のルートで皇太子宮まで行くには遠回りな上、途中専用の馬車を使うので多くの使用人や、面会を断られて待ち伏せする客人などと関わるので多少なりとも面倒なのである。
庭を突っ切るだけであれば、出入り口にいる門番が「誰それが居るのでお気を付け下さい」と言う助言があるので簡単に避けられるので面倒事が少なくていい。
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