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No.3

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 「取り合えず、食べようか!ハジメ君!あれ食べない?」

 ルークるーくんの言われるがままについていくことにした。パーティーもどうしてれば良いか、分からないからである。だが、俺はパーティーにとてもといっていいほど浮いている。顔はもちろん、服装は、庶民らしい簡素な服装であった。あのカスタマイズになんの意味があったのか。

 「やぁ、るーくん!久しぶりだな。よく来てくれたね。」

 なんと、俺ら二人の前に、このパーティーの主役、お坊っちゃまの中のお坊っちゃま、メトロが現れた。
 近くで見ると、さらに感じる。このオーラが。そして、何よりもメトロについていく無数のお嬢さん達。まるで、「俺、モテモテでしょ?」見たいに見せつけてるかのようであった。

 「覚えててくれたんだ!嬉しい!来ちゃったヨーン。」

 だが、そのメトロお坊っちゃまの前にも臆さないルークるーくんもさすがである。

 「ところで、そこの君は誰だい?わざわざ僕なんかの誕生日パーティーに来てもらって…」
 「あぁ、この子はハジメっていうんだ。僕もさっき知り合ったんだ。ルナサンが連れてきてたの。優しい子だよ!もう仲良しになっちゃって!」

 【ルークの好感度ゲージ 75パーセント(前回比+10パーセント)】

 あぁ、スゴいな。ルークに関しては、何もしないでいても付き合えるような相手なのだな。

 「そうか。改めて宜しく。僕の名前はメトロ。今日は思う存分楽しんでくれたまえ。さて、僕はまだまだ挨拶があるから、ごめんね。」
 「まってー!!メトロさまーー!!!」

 スゴい。スゴい人気だ(お嬢さん達から)。

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 こんなに本当に良いの?というほどに豪華な食事や飲み物を堪能した。これを毎日味わえると思うと、本当に羨ましい。こんなもん毎日のように食ってればああなると、納得した。
 とはいえど、凄いのはルークるーくんだ。食べ盛りなのだろう、食欲に限界リミットがこない。ひたすら飲食をしている。

 「凄いね…ルークるーくん…お腹壊さないの?」
 「わぁ!わざわざ心配してくれたの?ありがとう!優しいね!ハジメ君!」

 【ルークの好感度ゲージ 80パーセント(前回比+5パーセント)】

 本当にルークるーくんだけ好感度が上がってく。これって、もしかしたら好感度100までいったら付き合えるとか結婚できるとか的なやつ?そしたら、俺、ルークるーくんと恋仲になるってこと!?
 そんな心配をしていたら、遠くからこちらへ、少し年上っぽいお姉さんが近付いてきた。

 「あら、るーくん!久しぶり!」
 「ね、姉さん!?」

 もしかして、ルークるーくんの姉さん?だけど、ルークの反応が凄い…好きな子に話しかけられたかのように、顔を赤くしている。もしかして、ルークるーくんってシスコン!?

 「ごめんねハジメ君、紹介するね!彼女はイマージェ姉さん。本当のお姉さんじゃないけど、年下の僕に凄く優しくしてくれるんだ。だから姉さんって呼んでいるの。」

 なるほど、つまり頼れる姉さん的存在ということか。

 【ライバル出現!!!

  イマージェ・フォランス

  ルークからの好感度ゲージ 175パーセント(自分との差・95パーセント)】

 ら、ライバル!?この美人なお姉さんがライバルなのか?なんなら、ルークるーくんの方がライバルになると思うのだが…というか、驚きなのは好感度ゲージの数値。とっくに100を越えている。つまり、このお姉さんはその気になればいつでもルークるーくんと恋仲になることが可能なんだな…
 本当なら、その事実に主人公は悩むのだろうが、全く抵抗も悩みもない。むしろ、へぇ、おめでとうございます。みたいな感じだ。何せ、俺はバリバリ男だ。

 「ごめんなさいね。お邪魔しちゃって…ハジメ君だっけ?るーくんこの子はちょっとおっちょこちょいだけど、根はとても優しい子なの。どうか受け入れてあげてね。」
 「ちょ!止めてよ!ハジメ君に変なこと吹き込まないでよ!」

 恋仲というか、なんなら兄妹とか親子みたいな関係だなと思った。

 「じゃあ、もう行くわね。」
 「うん。バイバイ…」

 イマージェさんは、何処かへ行ってしまった。
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