3 / 5
3話
しおりを挟む「まぁ、あくまでの話です。ワーソンさんは魔王討伐での莫大な報酬金や小説家の収入、それに、資産運用も行ってらっしゃいますよね?それなりに金銭の余裕はあると思いましてね。」
「そ、そうですかねぇ。」
とはいえ確かに、魔王ヴァロボロスの討伐の際の報酬は実際に莫大で下手に贅沢しない限りはギリギリこれからの生涯働かなくても生きていけるぐらいあるし、小説も意外と売れるし、所持している資産価値も価値が高騰している。
だが、金銭のことは置いといて、普通にこの「ダンジョン開発」に興味が湧いている。元々、本当は魔王討伐だなんて目標は無く、ただダンジョンという世界に魅了され、冒険を重点に旅をしていた。ダンジョンファンとしては、この嗜好はなかなかなものだ。
「そうですね。興味はあるので、帰って妻と相談してみますね。」
といって、引き出した80000Gをバッグに詰めて家へ向かった。
◆◆◆◆◆◆
「う、うーん。」
駄目だ。「ダンジョン開発」が気になって気になって仕方がない。だが、なかなかな大きな買い物だ。それに、月200000G。小説がずっと売れるだなんて保証はないし、資産の価値が暴落することもあり得る。それに、人生何が起こるか分からない。医療費のことも考えなくてはならない。
(そうだ…商業利用がある…)
ダンジョンを商業利用し、休日はそのダンジョンでゆっくり散歩。何てのも悪くない。
「まぁ、俺だけで決められないし、メルサが反対する可能性も高いし…」
ちなみに、メルサは家事を担っているため、主な収入は俺からとなる。
「ただいま。」
ドアを開けると良い匂いが鼻につく。どうやら、メルサは夕食を作っているようだ。
「おかえり。」
エプロンを着たメルサが玄関まで来てくれた。
「そろそろ夕食かな?」
「そうよ。あと、少し遅かったわね。どうしたの?」
「そうなんだ。相談したいことがあってね?」
「相談?」
「まぁ、夕食を食べながらするよ。手を洗ってくる。」
そう言って、水道で手を洗い流し、リビングに行く。
野菜たっぷりのスープに牛肉のステーキ、ライ麦のパン、そして、今日は金曜日。毎週金曜日の夕食はワインを飲む。
「乾杯!」
ワイングラスを鳴らし、ワインを一口呑み、さっそく食事をいただく。メルサの手料理は、1日の極楽な時間とも言える。
「それで、相談って…」
メルサがワイングラスを置いて聞く。
「あぁ。メルサは、ダンジョン開発を知ってる?」
「ダンジョン開発?えぇ。知ってるわよ。ダンジョンを買って自由にデコレーションするみたいなのでしょ?」
何故か、知っていた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
異世界に転生!堪能させて頂きます
葵沙良
ファンタジー
遠宮 鈴霞(とおみやりんか)28歳。
大手企業の庶務課に勤める普通のOL。
今日は何時もの残業が無く、定時で帰宅途中の交差点そばのバス停で事件は起きた━━━━。
ハンドルを切り損なった車が、高校生3人と鈴霞のいるバス停に突っ込んできたのだ!
死んだと思ったのに、目を覚ました場所は白い空間。
女神様から、地球の輪廻に戻るか異世界アークスライドへ転生するか聞かれたのだった。
「せっかくの異世界、チャンスが有るなら行きますとも!堪能させて頂きます♪」
笑いあり涙あり?シリアスあり。トラブルに巻き込まれたり⁉
鈴霞にとって楽しい異世界ライフになるのか⁉
趣味の域で書いておりますので、雑な部分があるかも知れませんが、楽しく読んで頂けたら嬉しいです。戦闘シーンも出来るだけ頑張って書いていきたいと思います。
こちらは《改訂版》です。現在、加筆・修正を大幅に行っています。なので、不定期投稿です。
何の予告もなく修正等行う場合が有りますので、ご容赦下さいm(__)m
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる