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3話

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 「まぁ、あくまでの話です。ワーソンさんは魔王討伐での莫大な報酬金や小説家ライターの収入、それに、資産運用も行ってらっしゃいますよね?それなりに金銭の余裕はあると思いましてね。」
 「そ、そうですかねぇ。」

 とはいえ確かに、魔王ヴァロボロスの討伐の際の報酬は実際に莫大で下手に贅沢しない限りはギリギリこれからの生涯働かなくても生きていけるぐらいあるし、小説も意外と売れるし、所持している資産価値も価値が高騰している。
 だが、金銭のことは置いといて、普通にこの「ダンジョン開発」に興味が湧いている。元々、本当は魔王討伐だなんて目標は無く、ただダンジョンという世界に魅了され、冒険を重点に旅をしていた。ダンジョンファンとしては、この嗜好はなかなかなものだ。

 「そうですね。興味はあるので、帰って妻と相談してみますね。」

 といって、引き出した80000Gをバッグに詰めて家へ向かった。

 ◆◆◆◆◆◆

 「う、うーん。」

 駄目だ。「ダンジョン開発」が気になって気になって仕方がない。だが、なかなかな大きな買い物だ。それに、月200000G。小説がずっと売れるだなんて保証はないし、資産の価値が暴落することもあり得る。それに、人生何が起こるか分からない。医療費のことも考えなくてはならない。

 (そうだ…商業利用がある…)

 ダンジョンを商業利用し、休日はそのダンジョンでゆっくり散歩。何てのも悪くない。

 「まぁ、俺だけで決められないし、メルサが反対する可能性も高いし…」

 ちなみに、メルサは家事を担っているため、主な収入は俺からとなる。

 「ただいま。」

 ドアを開けると良い匂いが鼻につく。どうやら、メルサは夕食を作っているようだ。

 「おかえり。」

 エプロンを着たメルサが玄関まで来てくれた。

 「そろそろ夕食かな?」
 「そうよ。あと、少し遅かったわね。どうしたの?」
 「そうなんだ。相談したいことがあってね?」
 「相談?」
 「まぁ、夕食を食べながらするよ。手を洗ってくる。」

 そう言って、水道で手を洗い流し、リビングに行く。

 野菜たっぷりのスープに牛肉のステーキ、ライ麦のパン、そして、今日は金曜日。毎週金曜日の夕食はワインを飲む。

 「乾杯!」

 ワイングラスを鳴らし、ワインを一口呑み、さっそく食事をいただく。メルサの手料理は、1日の極楽な時間とも言える。

 「それで、相談って…」

 メルサがワイングラスを置いて聞く。

 「あぁ。メルサは、ダンジョン開発を知ってる?」
 「ダンジョン開発?えぇ。知ってるわよ。ダンジョンを買って自由にデコレーションするみたいなのでしょ?」

 何故か、知っていた。
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