上 下
1 / 1

「お前のことを愛すのに疲れてしまった」

しおりを挟む

 突然、夫のクラスティーノ・ブルボン公爵令息から、こんなことを言われた。

 「俺は、お前のことを愛するのを疲れてしまった。だから、浮気をしてよいだろうか?これは、政略結婚なのだろう?」

 そう。私、ミラン・フレーバー伯爵令嬢と彼、クラスティーノ・ブルボン公爵令息は、お互いの親同士の関係で、政略結婚をしている。

 そのため、彼は浮気をしても良いだろうと言っているのだ。しかし、それは私からすれば私への侮辱にしか感じない。

 「嫌です。と言えば?」

 「ならば離婚でもするか?だが、お互いの親のためにもならないぞ。」

 「いえ、私は構いません。何故なら、貴方のお父様、お母様の方が劣勢であるからです。」

 「ど、どういうことだ!?」

 そう。私は見た。私の親に対して、彼のお父様とお母様が頭を下げているのを。だけど、私の身となったら……好きでもない男の人と結婚させられて、その男が浮気をするだなんて言い出して…

 「浮気では無く、離婚をしてください。そうすれば、どうぞ。お好きな女性とお過ごしください。」

 そう。早く離婚をして、正式に好きな男性と結婚したい。彼が、浮気したいのならば、いっそのこと、離婚をする!

 「だけど、お父様とお母様に迷惑をかけてしまう!」

 「そうですね。だけど、貴方は、「浮気をしたい」と言い出しました。だから、離婚をしましょう。」
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

ままごと婚約破棄

ハチ助
恋愛
【あらすじ】王太子の側近候補と婚約者候補選定のお茶会に呼ばれ参加していた6歳のアベリアは、大好きなケーキを堪能していた。すると3歳の頃に婚約したルシオが、突然アベリアに婚約破棄を宣言してくる。その傍らにはアベリアの従姉でもあるフィルマを伴い、二人仲良く手を繋いだ状態で……。そんなショックを受けたアベリアがとった行動は……。(全5話) ※こちらは、婚約破棄ヒーロー(6歳児)との元鞘エンドのコメディー色が強い作品になります。 地雷臭を感じた方は、お気を付けください。読まれる際は自己責任でお願いします。 尚、ざまぁ展開は微塵もございません!

別れてくれない夫は、私を愛していない

abang
恋愛
「私と別れて下さい」 「嫌だ、君と別れる気はない」 誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで…… 彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。 「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」 「セレンが熱が出たと……」 そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは? ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。 その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。 「あなた、お願いだから別れて頂戴」 「絶対に、別れない」

私は執事。妹は令嬢。だけど、イケメン令息は執事の私が好みなようで。

天災
恋愛
 イケメン令息は私が好みなようで。

令息様……醜い私を愛してくれてありがとう…

天災
恋愛
 令息様、醜い私なんかを愛してくれてありがとう…

愛してくれないのなら愛しません。

火野村志紀
恋愛
子爵令嬢オデットは、レーヌ伯爵家の当主カミーユと結婚した。 二人の初対面は最悪でオデットは容姿端麗のカミーユに酷く罵倒された。 案の定結婚生活は冷え切ったものだった。二人の会話は殆どなく、カミーユはオデットに冷たい態度を取るばかり。 そんなある日、ついに事件が起こる。 オデットと仲の良いメイドがカミーユの逆鱗に触れ、屋敷に追い出されそうになったのだ。 どうにか許してもらったオデットだが、ついに我慢の限界を迎え、カミーユとの離婚を決意。 一方、妻の計画など知らずにカミーユは……。

【完結】離縁いたしましょう、旦那様。

山葵
恋愛
私ミシェルの夫であるリンベルは、侍女のジェンナと浮気をしている。 私と夫は政略結婚。 2人の間に愛はない。 婚約前ジェンナと付き合っているのは知っていた。 私と婚約する為にジェンナと別れる様に両親から言われていたから、まさか婚約してからも関係が続くとは思っていなかった。 1番驚いたのは結婚後に侍女として雇ったのだ。 もう呆れて何も言えなかった。 勿論、リンベルとミシェルは、今も何も無い。 白い結婚を、離婚の時に裁判所に申し立てれば、結婚事態がなかった事になる。 明日で結婚して3年になる。 「旦那様、離縁いたしましょう!」 私はリンベルに笑顔でそう言った。

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

処理中です...