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第6・5話 アリーの両親に起きていたことと、上乗せされるアリーの罪 俯瞰視点(2)
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「「んな!? なにもの――」」
「安心しろ、オレ達は賊ではない。悪人の処分は、法に則り行う」
先頭の男――5人のリーダーが低めの声で呟き、2人はあっという間に拘束。後ろ手で縛られ、身動きが取れなくなってしまいました。
「はっ、離せっ! 離さないかっ!! わたしは子爵っ、悪人でも罪人でもない!! 貴様らは何をしているんだ!?」
「見て分からないのか? この拘束具は、罪人用のもの。つまりその貴様らは、罪人を捕えているのだよ」
「なっ、なんですって!? わたし達は何もしていないわ!! 一体何の容疑だと言うのっっ!?」
「レオン・グステと娘アリーによる、悪事への助力。それが、貴様らの罪だ」
エリオットは昨日ルシィを解放し、本格的に動けるようになりました。そこで『とある場所』に、その情報と物証を持ち込んでいたのです。
「証拠は全て揃っており、貴様らの協力は疑いようのないものとなっている。言い逃れは不可能だぞ」
「「ど、どうしてソレを……!? なぜ知っている(いるの)……!?」」
「そこに関しては、この場で貴様らに説明をする義理はない。……お前達」
「「「「はっ!」」」」
リーダーの合図によって残る4人が動き出し、所謂家宅捜索が始まります。
侵入者である彼らの目的は、2人およびマリーの連行と、邸内にあるその他の物証の確保。ですがその行動によって、5人はあるものを見つけてしまうのでした。
「これはこれは、おもわぬ収穫だな。子爵殿、こちらはなにかな?」
「「っ!! ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」」
リーダーの男が持っているのは、分厚いバインダー。アリーがあの日掲げた、汚職に関するものでした。
「悪人でも罪人でもない、そう仰っていたが――貴様らは、こちらの想像以上に悪人であり罪人だったようだ。おめでとう、罪がもう一つ増えたぞ」
「「こ、これは……。ちが……っ。俺の(わたし)の持ち物ではない(ないわ)……!」」
「ほう。ならば、誰の持ち物だと言うのだ? 実にしょうもない言い訳だな」
リーダー、そして残る4人も呆れの息を吐き、丁度2階からアリーを担いだエリオットが降りてきました。そのため3人の連行がはじまり、意識のある2人は無様に叫び回ります。
「っつっっつっ! アリーのせいで……!! 滅茶苦茶じゃないかぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
「アリーを信じて動いたのに……!! なに間抜けに捕まっているのよぉぉぉっぉおおおおおおおおおぉぉぉおおおおお!!」
2人は目を見開いて吠え、
「「※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※!!」」
貴族とは思えない、極めて下品なワードを連発。そうして彼らは連行用の馬車へと放り込まれ、貴族としての地位を――安泰だった日々を、失ったのでした。
そして、同時に。アリー・ベイズナにはこの件に関する罪も上乗せされ、更に重い刑が科せられることとなったのでした――。
突然すみません。ご報告になります。
明日からはレオン視点となり、彼へのざまぁが始まります。
「安心しろ、オレ達は賊ではない。悪人の処分は、法に則り行う」
先頭の男――5人のリーダーが低めの声で呟き、2人はあっという間に拘束。後ろ手で縛られ、身動きが取れなくなってしまいました。
「はっ、離せっ! 離さないかっ!! わたしは子爵っ、悪人でも罪人でもない!! 貴様らは何をしているんだ!?」
「見て分からないのか? この拘束具は、罪人用のもの。つまりその貴様らは、罪人を捕えているのだよ」
「なっ、なんですって!? わたし達は何もしていないわ!! 一体何の容疑だと言うのっっ!?」
「レオン・グステと娘アリーによる、悪事への助力。それが、貴様らの罪だ」
エリオットは昨日ルシィを解放し、本格的に動けるようになりました。そこで『とある場所』に、その情報と物証を持ち込んでいたのです。
「証拠は全て揃っており、貴様らの協力は疑いようのないものとなっている。言い逃れは不可能だぞ」
「「ど、どうしてソレを……!? なぜ知っている(いるの)……!?」」
「そこに関しては、この場で貴様らに説明をする義理はない。……お前達」
「「「「はっ!」」」」
リーダーの合図によって残る4人が動き出し、所謂家宅捜索が始まります。
侵入者である彼らの目的は、2人およびマリーの連行と、邸内にあるその他の物証の確保。ですがその行動によって、5人はあるものを見つけてしまうのでした。
「これはこれは、おもわぬ収穫だな。子爵殿、こちらはなにかな?」
「「っ!! ぁ、ぁぁ……。ぁぁぁぁぁ……」」
リーダーの男が持っているのは、分厚いバインダー。アリーがあの日掲げた、汚職に関するものでした。
「悪人でも罪人でもない、そう仰っていたが――貴様らは、こちらの想像以上に悪人であり罪人だったようだ。おめでとう、罪がもう一つ増えたぞ」
「「こ、これは……。ちが……っ。俺の(わたし)の持ち物ではない(ないわ)……!」」
「ほう。ならば、誰の持ち物だと言うのだ? 実にしょうもない言い訳だな」
リーダー、そして残る4人も呆れの息を吐き、丁度2階からアリーを担いだエリオットが降りてきました。そのため3人の連行がはじまり、意識のある2人は無様に叫び回ります。
「っつっっつっ! アリーのせいで……!! 滅茶苦茶じゃないかぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
「アリーを信じて動いたのに……!! なに間抜けに捕まっているのよぉぉぉっぉおおおおおおおおおぉぉぉおおおおお!!」
2人は目を見開いて吠え、
「「※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!! ※※※※※※※※※※※※※※※※!!」」
貴族とは思えない、極めて下品なワードを連発。そうして彼らは連行用の馬車へと放り込まれ、貴族としての地位を――安泰だった日々を、失ったのでした。
そして、同時に。アリー・ベイズナにはこの件に関する罪も上乗せされ、更に重い刑が科せられることとなったのでした――。
突然すみません。ご報告になります。
明日からはレオン視点となり、彼へのざまぁが始まります。
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