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5話 必然のトラブル、発生(4)
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「いよいよ終わりの時よっ! やあああああああああああああっっ!!」
「はあああああああああああああああっっ!!」
飛び上がった私達は、揃って右の前足を力強く振る。
疲労と痛みのせいで、やっぱり攻撃速度はあちらが上。私のよりも早く爪が近づいてきて――そのまま、私を引っ掻いた。
ただし。
彼女の爪は勢いよく、私の左前足を引っ掻いた。
「なっ!? 片方の足で止めたっ!?」
「今までは背中を攻撃されてる間に倒してきたから、『どこかを犠牲にすれば、その間に勝てる』って思ってたの。だから、貴方にも勝たせてもらうわっっ!!」
あちらと同時に振った右足はずっと動き続けていて、私はようやく遅れて攻撃を実行。その爪にスピードは、左程なかったけれど――。左足を攻撃している相手は防御する余裕も避ける余裕もなくって、こちらの攻撃は敵の弱点を的確に捉えた。
「ぎぁ……っ! かおが……っ! ウチも、かお、がぁ……っっ。いた、いぃぃ……!」
「ごめん、なさいね……っ。貴方達はそのまま、そこで苦しんでいて……っ」
どうにか三人を倒した私は、身体の向きを進路に戻す。
勝利を喜んだり安心したりしている暇は、ない。だってこの身体じゃ、今までのようには走れないから……。
「少なくとも式の開始三十分前にはお城に着かないといけなくて、その時まで残りは1時間でおよそ1キロ……。かなり厳しい、わね……」
走るのに大事な足が二か所大怪我をしていて、体力も随分減っている。しかも着いたあとは門番の人達を振り切って敷地に入らないといけないから、もっと大変になっちゃう。
「……でも……。やらなきゃ、いけない……」
大好きな人に、辛い思いをして欲しくはないから。私は進んで、何が何でも間に合わせる。
「…………アリス。ここからも今までみたいに、根性でどうにかしましょ……っ!」
私はいつものように、前足で頬をパチン。痛む足で強めに叩いて身体と心を奮起させ、お城へと続く道を再び走り始めたのでした。
「はあああああああああああああああっっ!!」
飛び上がった私達は、揃って右の前足を力強く振る。
疲労と痛みのせいで、やっぱり攻撃速度はあちらが上。私のよりも早く爪が近づいてきて――そのまま、私を引っ掻いた。
ただし。
彼女の爪は勢いよく、私の左前足を引っ掻いた。
「なっ!? 片方の足で止めたっ!?」
「今までは背中を攻撃されてる間に倒してきたから、『どこかを犠牲にすれば、その間に勝てる』って思ってたの。だから、貴方にも勝たせてもらうわっっ!!」
あちらと同時に振った右足はずっと動き続けていて、私はようやく遅れて攻撃を実行。その爪にスピードは、左程なかったけれど――。左足を攻撃している相手は防御する余裕も避ける余裕もなくって、こちらの攻撃は敵の弱点を的確に捉えた。
「ぎぁ……っ! かおが……っ! ウチも、かお、がぁ……っっ。いた、いぃぃ……!」
「ごめん、なさいね……っ。貴方達はそのまま、そこで苦しんでいて……っ」
どうにか三人を倒した私は、身体の向きを進路に戻す。
勝利を喜んだり安心したりしている暇は、ない。だってこの身体じゃ、今までのようには走れないから……。
「少なくとも式の開始三十分前にはお城に着かないといけなくて、その時まで残りは1時間でおよそ1キロ……。かなり厳しい、わね……」
走るのに大事な足が二か所大怪我をしていて、体力も随分減っている。しかも着いたあとは門番の人達を振り切って敷地に入らないといけないから、もっと大変になっちゃう。
「……でも……。やらなきゃ、いけない……」
大好きな人に、辛い思いをして欲しくはないから。私は進んで、何が何でも間に合わせる。
「…………アリス。ここからも今までみたいに、根性でどうにかしましょ……っ!」
私はいつものように、前足で頬をパチン。痛む足で強めに叩いて身体と心を奮起させ、お城へと続く道を再び走り始めたのでした。
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