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第14話 逆監視5日目 監視スタート (3)

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《クオスっ、どうすればいい……っ! 教えてくれ……っ!!》

 下半身に掻き付くや、殿下は従者さんを必死に見上げます。

《お前は、学院を首席で卒業した男だろう……っ!? 優秀な男だろう……っ!? その頭を使えば、何か閃くだろう……っっ!?》
《す、少しお待ちください……! かっ、考えてみます!》

 掻き付かれたままで眉間にやや皺を刻ませて、思案を開始。暫し真剣に思考を巡らせ、やがてその口が開きました。

《な、治る保証は、ありませんが……》
《保証はなくてもいい! なんなんだっ?》
《聖女様に……。エリーナ・ミウヴァ様に、祈っていただいては如何でしょうか……?》
《聖女に………………そうかっ! アイツは聖なる力を持つ女だ! 国に加護を与える力があるのなら、個人くらい朝飯前だなっ!!》

 アークス殿下の瞳に光が戻り、彼は大急ぎかつ嬉々として、クオスさんを神殿へと向かわせました。そして時を同じくして、

《聖女に頼めば、改善するやもしれん。家族には悟られぬように、依頼をしてきてくれ》
《聖女に頼めば、治るかもしれないわね。4人には気付かれないように、行ってきて頂戴》
《聖女に頼めば、きっと元通りになるっ。みんなには気付かれないように、急いでお願いしてっ!》
《聖女に頼めば、この異常が消える可能性が高いですね……っ。誰にも見つからないように、頼んできてください》

 他の4人も同じ結論に至り、5人の使者が神殿を目指すことになりました。

「…………ホント。調子がいいヤツらっスね」
「はい。清々しいまでに、調子がいいですね」

 これまで散々疑い邪険にしてきたのに、困った時だけ縋る。とても彼ららしい振る舞いですね。

《《《》》》

 こんな時だけ頼んでも応じませんし、元々これは私が仕掛けたものです。
 なので体裁上5つの依頼は受けましたが、対応は致しません。私はその後職務をこなして神殿に戻り、明日のために急いでベッドに潜り込んだのでした。


 仮眠をとったら、ラズフ様と一緒にひまわり畑。
 そう思うと興奮して眠れませんが、ちゃんと睡眠を取らないと祈りのあとで体調を崩してしまいます。ですので一生懸命ワクワクする気持ちを抑え込み、眠りの世界に落ちていったのでした。












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