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第15話(4)
しおりを挟む「そういえば言い忘れていましたが、復活の支援をする存在が潜んでいると確信していました。そこで誰がそうなのか、炙り出しを行っていたのですよ」
ワザと隙を見せて泳がせ、怪しい動きが出るのを待っていた――。正体を確信したのは一昨日。実は王女殿下の目的を見抜き、宰相が暗躍していると聞き出して指示を出していた――。
マティアス君は左右の手で武器を取りながら、詳説をしてくれました。
「あの日……。私が待っている間に、そんな事があったんだね……」
「余計な心配とかをかけたくないから、内緒にしていたんだ。そもそも――。できればこういう問題が解決してから迎えに行きかったんだけど、あの家からは一刻も早く脱出しなければならなかったからね。君を護りつつ倒すやり方に切り替えたんだ」
だからいつも傍にいてくれて、どうしても居られない時は個室。ずっとずっと、護られていたのですね。
「最後の魔物さん、残念でしたね。手の平で踊っていたのは、そちらです。貴方は俺を追い詰めたのではなく、尻尾を掴まれここへと誘導させられたのですよ」
「…………まさか、底辺育ちが仇になるとはな。ああ、そうだな。認めるとしよう。これに関しては、素直に負けを認めようじゃないか」
魔物は忌々しげに舌を鳴らし、けれどその怒気はすぐに消え去りました。
これに、関しては。他の部分では、勝てる自信があるようです……。
「だがそんな貴様にも、計算違いがある。それが、この状況だ」
「「「「「「「「「「「「「ギギィ!」」」」」」」」」」」」」
合わせて13体の異形が動き出し、私達の周りを取り囲みました。
360度。どこを見ても、敵がいます……。
「この個体どもは魔術こそ扱えないものの、戦闘能力は上級魔物に匹敵する。……雌よ。魔物のクラス分けについて、知っているな?」
「……はい。知っています」
魔物は3つに分けられていて、下級、中級、上級が存在します。もちろん一番強い魔物が上級で、それは熟練の戦士4~5人でやっと倒せるそうです。
「そんな存在が13、更には全方位を取り囲んでいる。単純計算で、50~60の猛者で対応しなければならぬ相手だ。一騎当千を誇るさしもの英雄といえど、この数は無謀なのだよ」
だからお前は、ここで死ぬ――。
自惚れ相手を見くびったせいで、蹂躙されてしまうのだよ――。
魔物はほくそ笑み、それに合わせて異形達も楽し気に奇声を発しました。
「さあて、これからソレを証明するとしようじゃないか。…………ショーの始まりだぞ、英雄!」
「「「「「「「「「「「「「ギギギギギギギィ!!」」」」」」」」」」」」」」
彼が顎をしゃくると、異形達は行動を開始。私達目掛け、一斉に走り出したのでした……!
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