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第4話 去った後は~希望と絶望の兆し~ 俯瞰視点(2)

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《計画候補その49 毒を飲んで死ぬ気があったと思い込ませて、ソフィアに協力させる》

 二人の前にある、一枚の紙。その中にある《採用!》と書かれた場所の下には、そのような文字が記されていました。

『駄目だ……。嘘だと見破られている以上、どうやっても上手くいかない……』
『そうですわね……。…………なら、嘘は勘違いだと思わせるしかありませんわね。でも……』
『もう、それは不可能だ……。俺達は、一度逃げてしまっている……。実際に毒を飲まない限り信用されなくて、毒なんて飲めるはずがないから――……。待てよ……』
『? どうしましたの、イーサン?』
『…………………………………………』
『?? イーサン? グラスをじっと見つめ、どうしたんですの……?』
『…………………………………………そうじゃない! 飲める! 毒を飲むことは可能だっ!!』

 薄めた毒が入った液体を一口から二口程度飲み、倒れたフリをする――。そうすれば致死量を飲まなくても、ソフィアに本気だと思い込ませられる!――。
 アヴリーヌがショックを誤魔化すために飲んでいた、氷が溶けて薄まったドリンク・・・・・・・・・・・・・を見たことで、アイディアが降りてきたのでした。

『俺達は毒の素人だ! 薄くなったのは「粉末を水に溶かして飲めば死ねると言われてやってみたものの、加減を間違ってしまっていた」で片付く! 二口くらい飲んで倒れたのは、死ぬと思い込んだことによる失神だった! で説明がつく! ほらっ! 完璧だ!』
『っ! ええっ、ええっ! 違和感はありませんわ!! おかしくはありませんわ!!』
『だよなっ!? ………………よし!! 活路を見つけたぞ!!』

 こうして二人は希望を見つけ、ああして笑い合っていたのです。

「念のため直前に毒を中和するものを飲んでおけば、僅かの悪影響もないはずだ。毒なんてのは少量でも飲みたくないけど、仕方ない」
「そうですわね。では早速!」
「ああっ。準備をしてソフィアのもとに行こう!」

 両親が薬師をしている、学舎時代のイーサンの友人。まずはその者のもとへと向かって新しい毒と中和できるものを入手し、必要な準備を済ませてからマーフェット邸に向かう。
 そう決めた二人は声を弾ませ部屋を飛び出し、上機嫌で馬車へと乗り込んだのでした。

 そして――


 〇〇


「…………………………」

 そんな二人の姿を、冷たい目で見ている者がいて――

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