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第9話 呪いを使った者の末路~ジュリアの場合・下~ 俯瞰視点

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「…………………………」

 呪いの代償によって、呪いが返ってきてから1年後。ジュリアは太陽が燦燦と輝く青空の下にいて、無表情で前方を見つめていました。


『ぎぃああああああ!! 閉じ込められたあああ!?』

『出せ! だせぇええ!! だせええええええええ!!』

『わたしは被害者なのよ!? あっちが悪いことをしてるからやっただけなのよ!! 分かってるの!?』

『負けないわよ! 絶対に抜け出してやるんだから!!』


 閉じ込められた当初は、喚く余裕も理不尽に怨む余裕もありました。
 ですが、返ってきた呪いを解く方法などありません。
 そのためどんなに必死になっても活路を見出だせず、やがてジュリアは絶望します。

『し、死ぬまで出られない……。ひとりきりだなんて……。は、ははは……。ははははははははは……………………』

 どうやっても元の世界に戻れないと理解した瞬間、ジュリアの心は崩壊。おびただしい量のショックによって、抜け殻同然となってしまったのです。


「…………………………」

「…………………………」

「…………………………」

 晴れの日も曇りの日も雨の日も、おんなじ。

「…………………………はは。はは、はは、は…………」

 侯爵家の長女として生まれ、薔薇色の人生が保証されていたジュリア。
 彼女は自らの行いによって輝く未来を手放し、地獄のような未来を手にしてしまったのでした――。








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