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第6話 管の先には ミリア視点(2)
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「ダニス……!? どうしたというのだ……!?」
「ロンド……!? それに、ミリア様も……。どうしたのですか……!?」
治安局の方々と共にお屋敷を訪れると、当主様とレオン様が揃って目を見開きました。
どちらも様子を見る限り、犯人とは思えません。ですが両方、或いは片方が、呪いをかけている犯人です。
「ずっと僕の身を苛んでいたものの正体が分かったんだ。レオン、君の部屋に立ち入らせてもらうよ」
「俺の部屋に!? 待てっ、それはプライバシーの侵害だ! とある家が関わる他所に見られてはいけない資料も置いてあるんだ! いくら親友の頼みでも――」
「その手のものには触れないようにするし、治安局の許可が下りているんだ。お邪魔するよ」
今現在レオン様を含め、ダフェリエ侯爵家の方々に拒否権はありません。わたくし達は治安局員の方々の先導で邸内を進み、二階にあるレオン様のお部屋に入りました。
「ロンドの病の原因が、この部屋にあるだって……!? そんなことあるはずがないだろう! 意味の分からないことはやめてくれ!」
「いいや、それがあるんだよ。ね、ミリア」
「はい。……あちらにあるデスクの引き出し、その上から三つ目の引き出しの中に、原因となるものが隠されています。レオン様、鍵を開けていただきたく思います」
「……………………。……………………」
「そうか、なら仕方ないね。皆様、レオンの拘束と鍵の確保をお願い致します」
ご協力いただけないのであれば、しょうがありません。まずはふたり掛かりで自由を奪い、レオン様のお身体を調べます。
そうすると鍵が出てきたので、わたくしが鍵を受け取って三段目の引き出しを開けて――。なかから、赤色の宝石を取り出しました。
ジュリア様が持っていたものと同じですし、漆黒の管を通じてロンド様のお身体と繋がています。
間違いありません。
これが、呪いの触媒です。
「それは大事な友人からもらった宝物なんだ! 壊さないでく――」
「どんなに大切でも、そのお言葉は呑めません」
高々と掲げて、思い切り床に叩きつける。ジュリア様の真似をすると宝石は勢いよく砕け散り、それを合図として漆黒の管は消え去りました。
そして、その出来事を切っ掛けとして――
「……すごい。息苦しさと頭痛と熱が、あっという間になくなった」
――それだけではありません。
すっかりガサガサになっていた肌やカサカサになっていた唇。それらが一瞬にして、元通りの瑞々しさを取り戻したのでした。
※ご報告になります。
そうさせていただく理由は少し後で(5話先のお話で)明らかになるのですが、その際に必要となる演出を行うため、1日間だけ終わり(完結)表示となります。もちろん今日の投稿分でお話が終わるわけではなく、次の日以降も本日と同じ時間に投稿させていただきます。
「ロンド……!? それに、ミリア様も……。どうしたのですか……!?」
治安局の方々と共にお屋敷を訪れると、当主様とレオン様が揃って目を見開きました。
どちらも様子を見る限り、犯人とは思えません。ですが両方、或いは片方が、呪いをかけている犯人です。
「ずっと僕の身を苛んでいたものの正体が分かったんだ。レオン、君の部屋に立ち入らせてもらうよ」
「俺の部屋に!? 待てっ、それはプライバシーの侵害だ! とある家が関わる他所に見られてはいけない資料も置いてあるんだ! いくら親友の頼みでも――」
「その手のものには触れないようにするし、治安局の許可が下りているんだ。お邪魔するよ」
今現在レオン様を含め、ダフェリエ侯爵家の方々に拒否権はありません。わたくし達は治安局員の方々の先導で邸内を進み、二階にあるレオン様のお部屋に入りました。
「ロンドの病の原因が、この部屋にあるだって……!? そんなことあるはずがないだろう! 意味の分からないことはやめてくれ!」
「いいや、それがあるんだよ。ね、ミリア」
「はい。……あちらにあるデスクの引き出し、その上から三つ目の引き出しの中に、原因となるものが隠されています。レオン様、鍵を開けていただきたく思います」
「……………………。……………………」
「そうか、なら仕方ないね。皆様、レオンの拘束と鍵の確保をお願い致します」
ご協力いただけないのであれば、しょうがありません。まずはふたり掛かりで自由を奪い、レオン様のお身体を調べます。
そうすると鍵が出てきたので、わたくしが鍵を受け取って三段目の引き出しを開けて――。なかから、赤色の宝石を取り出しました。
ジュリア様が持っていたものと同じですし、漆黒の管を通じてロンド様のお身体と繋がています。
間違いありません。
これが、呪いの触媒です。
「それは大事な友人からもらった宝物なんだ! 壊さないでく――」
「どんなに大切でも、そのお言葉は呑めません」
高々と掲げて、思い切り床に叩きつける。ジュリア様の真似をすると宝石は勢いよく砕け散り、それを合図として漆黒の管は消え去りました。
そして、その出来事を切っ掛けとして――
「……すごい。息苦しさと頭痛と熱が、あっという間になくなった」
――それだけではありません。
すっかりガサガサになっていた肌やカサカサになっていた唇。それらが一瞬にして、元通りの瑞々しさを取り戻したのでした。
※ご報告になります。
そうさせていただく理由は少し後で(5話先のお話で)明らかになるのですが、その際に必要となる演出を行うため、1日間だけ終わり(完結)表示となります。もちろん今日の投稿分でお話が終わるわけではなく、次の日以降も本日と同じ時間に投稿させていただきます。
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