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第19話 その後~マーティンSide~ 俯瞰視点
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「はははっ、はははっ! 父上っ、気持ちがいいなっ!」
「ああマーティンっ! 労働は素晴らしいな!」
マーティンとアダムが扉の向こうに消えてから、1年と数日後。『教育』を終えた2人の姿は、炭鉱にありました。
「俺達が働くことで仕事仲間の負担が減り、国民の生活がより良いものへと変わってゆく。なんて素敵なんだ!!」
「自分にも他者にもプラスになる。最高の場所だなここは!!」
この炭鉱は他の場所に比べて発掘量が多い代わりに環境が厳しく、その影響により高報酬にもかかわらず、人手が不足し個々の作業量も増えています。ですが2人にとってそれは、喜び。
自分が働くことで周りに楽をさせられる。
国民の生活に必要な物を確保できている。
それらが嬉しくてたまらず、引き続きマーティンとアダムは満面の笑みで作業を行ってゆきます。そしてその後もたっぷりと仕事を行った2人は、炭鉱から出て――まだまだ、休みはしません。
「父上! さあ行こう!!」
「うむっ! まずは買い出しだな!」
作業着から私服へと着替えた彼らは街に向かい、お菓子やパンをを山ほど――今日支払われた給料を全て使って購入し、それを持って孤児院を訪れました。
「やあみんなっ。久し振りだねっ」
「楽しい楽しいプレゼントの時間だぞ~っ!」
美味しいものを子ども達に振る舞い、一緒に遊ぶ。マーティンとアダムはもう一つ趣味であり喜びとなったものを夜遅くまでたっぷりと行い、それが済むと――ようやく睡眠の時間となります。
「父上っ、今日も充実した1日になったな!」
「ああ。最高の1日だった!」
「明日はもっと最高の1日になるよう、さらに張り切ろうじゃないか!」
「当然だっ! マーティンよっ、幸せへと向かい共に進んでゆこう!!」
2人は満面の笑みを浮かべて、上機嫌でベッドへと入ります。
こうして彼らの1日は終わり、彼ら自身が望んでいるため、こういった毎日はいつまでも続いてゆきます。
ですので炭鉱や孤児院には、いつも笑顔が咲くようになって――
「リッダジア卿達が、あんなことになるだなんて……」
「反省した結果――自らの意思だと言っているが、明らかに嘘だ……」
「あんな風になってしまうなら……。下手な真似は、できない……」
――そんな姿を目にした他貴族や他国の工作員は、戦戦慄慄。激変によって暗躍する気力がなくなってしまい、時間に比例して悪事を企む者は減っていったのでした――。
※明日からは1年時間が戻り、ステラ達のその後を描かせていただきます。
「ああマーティンっ! 労働は素晴らしいな!」
マーティンとアダムが扉の向こうに消えてから、1年と数日後。『教育』を終えた2人の姿は、炭鉱にありました。
「俺達が働くことで仕事仲間の負担が減り、国民の生活がより良いものへと変わってゆく。なんて素敵なんだ!!」
「自分にも他者にもプラスになる。最高の場所だなここは!!」
この炭鉱は他の場所に比べて発掘量が多い代わりに環境が厳しく、その影響により高報酬にもかかわらず、人手が不足し個々の作業量も増えています。ですが2人にとってそれは、喜び。
自分が働くことで周りに楽をさせられる。
国民の生活に必要な物を確保できている。
それらが嬉しくてたまらず、引き続きマーティンとアダムは満面の笑みで作業を行ってゆきます。そしてその後もたっぷりと仕事を行った2人は、炭鉱から出て――まだまだ、休みはしません。
「父上! さあ行こう!!」
「うむっ! まずは買い出しだな!」
作業着から私服へと着替えた彼らは街に向かい、お菓子やパンをを山ほど――今日支払われた給料を全て使って購入し、それを持って孤児院を訪れました。
「やあみんなっ。久し振りだねっ」
「楽しい楽しいプレゼントの時間だぞ~っ!」
美味しいものを子ども達に振る舞い、一緒に遊ぶ。マーティンとアダムはもう一つ趣味であり喜びとなったものを夜遅くまでたっぷりと行い、それが済むと――ようやく睡眠の時間となります。
「父上っ、今日も充実した1日になったな!」
「ああ。最高の1日だった!」
「明日はもっと最高の1日になるよう、さらに張り切ろうじゃないか!」
「当然だっ! マーティンよっ、幸せへと向かい共に進んでゆこう!!」
2人は満面の笑みを浮かべて、上機嫌でベッドへと入ります。
こうして彼らの1日は終わり、彼ら自身が望んでいるため、こういった毎日はいつまでも続いてゆきます。
ですので炭鉱や孤児院には、いつも笑顔が咲くようになって――
「リッダジア卿達が、あんなことになるだなんて……」
「反省した結果――自らの意思だと言っているが、明らかに嘘だ……」
「あんな風になってしまうなら……。下手な真似は、できない……」
――そんな姿を目にした他貴族や他国の工作員は、戦戦慄慄。激変によって暗躍する気力がなくなってしまい、時間に比例して悪事を企む者は減っていったのでした――。
※明日からは1年時間が戻り、ステラ達のその後を描かせていただきます。
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