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第3章

プロローグその2(3)

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(では、そろそろ動くとしよう。いつまでも、小声で立ち話をしているのは不自然だからな)

 心で感謝をしていたら、ティルが看板を眺め始めた。
 私達がいるのは、出入り口の傍。人通りが多い場所。こんなとこでこうやってたら、不審だし迷惑よね。

「宿は、正面にある道を進めば辿り着けるらしい。ミファ、行こう」
(ええ、行きましょ。この街でも、いい宿が見つかるといいわね)
(ナオルスは『民宿(みんしゅく)』も盛んで、どこかしらには泊まれるはずだ。しかもライバルが多いなら必然的に質も上昇していて、良質なところは沢山あるだろうな)

 ティルのその分析は、正解。私達はその後、『ターゲル亭』――サーゼルさんのお店くらい良心的な宿を見つけ、暫く街をウロウロしてからケンズさんを訪ねたのでした。
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