勇者になった幼馴染に婚約破棄された上に追放されたので、英雄になってざまぁしようと思います

第２章

エピローグその２ 別れと再会（２）

「僕達はいつまでもお待ちしていますから、焦らずじっくり前進してください。後夜祭もあるので、もう少し滞在されてはどうですか？」
「お誘い、有難うございます。しかしすでに随分と留まっているため、そろそろ次の国へと向かいたいと思います」

　同盟のお話をしに来てくれるレノンさんに会ったら、私達は次の国こと隣国の『ニマル』を目指すようにしている。本当はもっと早く発つつもりだったんだけど、レノンさんの都合が合わなくて今日になっちゃったんだよね。

「そう、ですか。ソーラさん、レイルさん、お気をつけてください」
「テオさんも、気を付けてくださいね。第三王女のアルマ様が、妬いちゃってるそうですから」

　イノル様の情報によると、アルマ様はレルマ様が大好き。好きなお姉ちゃんを取られるのが嫌で、色々邪魔（微笑ましいイタズラ）をしてるみたいなんだよね。

「はい。そちらは特に、注意しておきます」
「そうして、ください。レノンさんが丁度来たので、私達はそろそろ――あれ？　レノンさんの様子が、おかしいわね……？」

　年齢詐称温厚美男さんの表情が、やけに曇っている。何があったんだろ……