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第2章
7話(1)
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「折角作り上げたのに、台無しにしてくれちゃってねえ。……楽に死ねると思うなよ?」
飄々とした声音が鳴りを潜め、低くて暗い不気味な声音になった。
嗜虐的な瞳と『残虐』という感情しかないような、攻撃的な顔。これが魔王ゲーランの、本性なのね。
「オレは自分の計画が失敗するのが、何より嫌いなんだ。笑って済ませるのは一度までで、二度禁を犯した者は絶望で染めてやる。徹底的に痛ぶって、殺してやるよ」
「あ、そ。そっちがやる気満々でよかったわ。私も似たような気分で、さっさとアンタを倒したかったから」
イノル様から譲り受けた剣『エクス』を『祝福』で強化して、ゲーランを正面から睨みつける。
今の私は、本気の本気。御託はいいから、とっととやりましょ。
「いいだろう。いいだろう! 蹂躙の時の、幕開けだ!!」
ゲーランが口角を吊り上げると、彼の周りに禍々しい漆黒の剣が3本現れた。
しかもそれは、ただ現れただけじゃない。それらの剣はふわふわと、宙に浮いている。
「魔王には一つ固有能力があって、オレのソレは『操作』。オレが触れた物なら、自在に動かせるんだ」
思い返せば、カーレルの森で繭が急浮上した。あれはコイツの力だったのね。
「つまりオレは剣を自在に操れ、あらゆる角度から同時にお前を攻撃できる。腕が二本しかないお前が、異なる角度から迫る三本の剣の相手をできるか? その答えは否、だよな?」
「……何勝手に、答えを決めてるのよ。本当の答えは、できる、よ」
「ははは、強気でいられるのは今だけだ。これまで殺していた何百何千もの奴らと同じく、すぐその心は折れる」
ヤツが指をパチンと鳴らすと剣が動き、私の背後と左右――私から1~2メートくらいで、切っ先をこちらに向けた状態で止まった。
飄々とした声音が鳴りを潜め、低くて暗い不気味な声音になった。
嗜虐的な瞳と『残虐』という感情しかないような、攻撃的な顔。これが魔王ゲーランの、本性なのね。
「オレは自分の計画が失敗するのが、何より嫌いなんだ。笑って済ませるのは一度までで、二度禁を犯した者は絶望で染めてやる。徹底的に痛ぶって、殺してやるよ」
「あ、そ。そっちがやる気満々でよかったわ。私も似たような気分で、さっさとアンタを倒したかったから」
イノル様から譲り受けた剣『エクス』を『祝福』で強化して、ゲーランを正面から睨みつける。
今の私は、本気の本気。御託はいいから、とっととやりましょ。
「いいだろう。いいだろう! 蹂躙の時の、幕開けだ!!」
ゲーランが口角を吊り上げると、彼の周りに禍々しい漆黒の剣が3本現れた。
しかもそれは、ただ現れただけじゃない。それらの剣はふわふわと、宙に浮いている。
「魔王には一つ固有能力があって、オレのソレは『操作』。オレが触れた物なら、自在に動かせるんだ」
思い返せば、カーレルの森で繭が急浮上した。あれはコイツの力だったのね。
「つまりオレは剣を自在に操れ、あらゆる角度から同時にお前を攻撃できる。腕が二本しかないお前が、異なる角度から迫る三本の剣の相手をできるか? その答えは否、だよな?」
「……何勝手に、答えを決めてるのよ。本当の答えは、できる、よ」
「ははは、強気でいられるのは今だけだ。これまで殺していた何百何千もの奴らと同じく、すぐその心は折れる」
ヤツが指をパチンと鳴らすと剣が動き、私の背後と左右――私から1~2メートくらいで、切っ先をこちらに向けた状態で止まった。
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