110 / 173
第2章
4話(18)
しおりを挟む
「この村は翌朝、戦場となります。非戦闘員の退避をお願いいたします」
『承知致しました。他に、ご要望はございますか? 明日までの食料などがないようでしたら、手配いたしますよ?』
「食べ物は村の方に分けてもらうので、大丈夫です。他にもなくって――じゃなくてありましたっ。剣を1本、お願いします」
さっきの戦いで壊れちゃって、今は剣が1と短剣が5しかない。魔王を相手にするなら、2本は持っておいた方がいいよね。
『剣でしたら、弟が所有しているものをお使いください。我が家に代々伝わる名剣の一つで、切れ味は確かですから』
「め、名剣……。それって……。壊れたら、まずい、ですよね……?」
『その剣『エクス』は、何千回と戦闘を行っても傷一つつかなかったものなんです。壊れる心配はありませんよ』
「ぁ、いえ、そうじゃなくてですね……。私が使うと、どんなものでも1回で壊れちゃうんですよ」
残念ながら、耐久性は関係ない。30分経つと、崩壊しちゃうんだよねぇ。
『ぇ? 一回で? 必ず、ですか?』
「はい。一回で、必ず、です」
『そ、そうなのですか……。けれどこちらにできる事はご支援のみなので、是非お使いください』
レルマさんは確実の破壊に戸惑っていたものの、迷わずどうぞと言ってくれた。
家宝を壊すのは申し訳ないけど、相手は魔王。奥が知れない相手。遠慮なく使わせてもらおう。
『弟には、あたしから伝えておきます。レイル様は、なにかございますか?』
「いえ、自分にはありません。武具を含め、準備は整っております」
『そうですか。何かあったら、遠慮なく仰ってくださいね』
こうして『テレパシー』を用いたやり取りは終わり、二十数分で到着するらしいので、私達は村民さんと一緒に村の出入り口で待つことになった。
ところで――。
別れ際にレルマさんが言ってたんだけど、弟こと第二王子のイノル様が私達に用があるらしい。一体なんなのかな?
『承知致しました。他に、ご要望はございますか? 明日までの食料などがないようでしたら、手配いたしますよ?』
「食べ物は村の方に分けてもらうので、大丈夫です。他にもなくって――じゃなくてありましたっ。剣を1本、お願いします」
さっきの戦いで壊れちゃって、今は剣が1と短剣が5しかない。魔王を相手にするなら、2本は持っておいた方がいいよね。
『剣でしたら、弟が所有しているものをお使いください。我が家に代々伝わる名剣の一つで、切れ味は確かですから』
「め、名剣……。それって……。壊れたら、まずい、ですよね……?」
『その剣『エクス』は、何千回と戦闘を行っても傷一つつかなかったものなんです。壊れる心配はありませんよ』
「ぁ、いえ、そうじゃなくてですね……。私が使うと、どんなものでも1回で壊れちゃうんですよ」
残念ながら、耐久性は関係ない。30分経つと、崩壊しちゃうんだよねぇ。
『ぇ? 一回で? 必ず、ですか?』
「はい。一回で、必ず、です」
『そ、そうなのですか……。けれどこちらにできる事はご支援のみなので、是非お使いください』
レルマさんは確実の破壊に戸惑っていたものの、迷わずどうぞと言ってくれた。
家宝を壊すのは申し訳ないけど、相手は魔王。奥が知れない相手。遠慮なく使わせてもらおう。
『弟には、あたしから伝えておきます。レイル様は、なにかございますか?』
「いえ、自分にはありません。武具を含め、準備は整っております」
『そうですか。何かあったら、遠慮なく仰ってくださいね』
こうして『テレパシー』を用いたやり取りは終わり、二十数分で到着するらしいので、私達は村民さんと一緒に村の出入り口で待つことになった。
ところで――。
別れ際にレルマさんが言ってたんだけど、弟こと第二王子のイノル様が私達に用があるらしい。一体なんなのかな?
0
お気に入りに追加
1,889
あなたにおすすめの小説
【完結】一緒なら最強★ ~夫に殺された王太子妃は、姿を変えて暗躍します~
竜妃杏
恋愛
王太子妃のオフィーリアは、王太子の子を身に宿して幸せに暮らしていた。
だがある日、聖女リリスに夫を奪われれ、自分に不貞の濡れ衣を着せられて殺されてしまう。
夫とリリスに復讐を誓いながら死んだ……と思ったらなんと翌朝、義弟リチャードの婚約者・シャーロットになって目が覚めた!
入り込んでしまったシャーロットの記憶を頼りに、オフィーリアは奔走する。
義弟リチャードを助けるため、そして憎き二人に復讐するため、オフィーリアが周囲の人々を巻き込んで奮闘する物語です。
※前半はシリアス展開で残虐なシーンが出てきます。
後半はギャグテイストを含みます。
R15はその保険です。苦手な方はお気をつけて下さい。
妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜
橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。
もしかして……また俺かよ!!
人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!!
さいっっっっこうの人生送ってやるよ!!
──────
こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。
先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
婚約破棄して、めでたしめでたしの先の話
を
ファンタジー
(2021/5/24 一話分抜けていたため修正いたしました)
昔々、あるところに王子様がいました。
王子様は、平民の女の子を好きになりました。平民の女の子も、王子様を好きになりました。
二人には身分の差があります。ですが、愛の前ではささいな問題でした。
王子様は、とうとう女の子をいじめる婚約者を追放し、女の子と結ばれました。
そしてお城で、二人仲良く暮らすのでした。
めでたしめでたし。
そして、二人の間に子供ができましたが、その子供は追い出されました。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
ある月の晩に 何百年ぶりかの天体の不思議。写真にも残そうと・・あれ?ココはどこ?何が起こった?
ポチ
ファンタジー
ある月の晩に、私は愛犬と共に異世界へ飛ばされてしまった
それは、何百年かに一度起こる天体の現象だった。その日はテレビでも、あの歴史上の人物も眺めたのでしょうか・・・
なんて、取り上げられた事象だった
ソレハ、私も眺めねば!何て事を言いつつ愛犬とぼんやりと眺めてスマホで写真を撮っていた・・・
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
俺を追い出した元パーティメンバーが速攻で全滅したんですけど、これは魔王の仕業ですか?
ほーとどっぐ
ファンタジー
王国最強のS級冒険者パーティに所属していたユウマ・カザキリ。しかし、弓使いの彼は他のパーティメンバーのような強力な攻撃スキルは持っていなかった。罠の解除といったアイテムで代用可能な地味スキルばかりの彼は、ついに戦力外通告を受けて追い出されてしまう。
が、彼を追い出したせいでパーティはたった1日で全滅してしまったのだった。
元とはいえパーティメンバーの強さをよく知っているユウマは、迷宮内で魔王が復活したのではと勘違いしてしまう。幸か不幸か。なんと封印された魔王も時を同じくして復活してしまい、話はどんどんと拗れていく。
「やはり、魔王の仕業だったのか!」
「いや、身に覚えがないんだが?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる