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第2章

4話(14)

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「…………待たせたな、ミファ。ようやく済んだ」

 ドアとにらめっこを始めて、9分後。無言の時間が終わり、ティルが久しぶりに口を開いた。
 未知のものを相手にして、たったの9分。秒換算だと540秒で、解決してみせた。やっぱりウチの幼馴染は、すごい。

「ミファの助力があったおかげで、この通り処理できた。いつも助かる」

 ティルがドアの左斜め上部分を杖で突っつくと、パキンっという鎖が千切れたような音がした。
 これでドアの向こうに行けて、『何か』とご対面できる。一体何があるのかしらね……?

「……ん? こいつは……」

 ごくりと唾を飲み込んでいたら、横で首が傾げられた。

「ティル、どうしたの? 何か聞こえた?」
「…………この魔術は音も遮断していたらしく、小さな物音が聞こえた。ソレから推測するに、中にいるのは人間だ」
「人間っ!? 人間ってあの、私達と同じ人間!?」
「そうだな。怯えているような声と、励ましているような声がしていて…………。小人が数人、成人が数人、老人が数名いるように思える」

 耳を澄ませながら指を折り曲げ、カウントは13でストップ。ティルによると13人がいるみたい。

「魔物が魔術で、人間を閉じ込めてた……? お年寄りや子供がいるなら、『邪魔な戦士を閉じ込めた』、じゃないわよね……?」
「そうだな。それに仮に戦士だとしても、奴らなら殺してしまうはずだ」
「アイツらなら、絶対にそうするよね。これ、なんなのかしら……?」
「閉じ込められていた張本人なら、何か聞いているかもしれない。入ってみよう」

 中にいるのが人間だけなら、何も心配はいらない。私達は扉を開け放ち、怖がらせないように「救援に来ました!」と大声を出しながら足を踏み入れた。

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