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第2章

1話(8)

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「貴方がたはノーンの救世主、ミファ・ソーラさんとティル・レイルさんですよね? 参加してくださる方がいて、しかもそれは実力様で安堵しております」
「我々も人間故に完遂できる保証はありませんが、努力致します。それではスタッフ殿、そちらが知得している情報をできるだけ細かくお教えください」
「畏まりました。場所はお伝えしました通り、北西およそ3キロの地点にあるリアの森。その近辺を通っていた行商人の方が、言葉で表すと『ドゴン!!』という音を耳にしたそうです。なおその際に鳥型の魔物が慌てた様子で森から逃げ出していた――行商人にすら気付かないほどに慌てて逃げたと、報告されています」

 恐らくその音は、魔物にとっても予想外な『何か』。カーレルの森にあった例の繭を、思い出すわね。

「こちらが知り得ている情報は、以上でございます。他の緊急クエストよりも情報が少なく、申し訳ありません」
「いえ、ありがとうございました。充分参考になりましたよ」
「そう仰っていただけると、助かります。ところで…………レイルさん。お二人のパーティーに『プリースト』はいらっしゃらないようですが、大丈夫なのでしょうか?」

 リアの森は瘴気に包まれている、と言っていた。瘴気は人間が吸うとジワジワ心身に不調をきたすみたいだから、それを防ぐバリアーを定期的に作ってくれるプリーストがいないといけないのよね。
 でも。だけど。どう見ても私達の中にはいないし、参加してくれる人もいない。
 だったら、もうあれよね。できるだけ素早く森での件を解決して、できるだけ素早く森を出るしかない。

(私の『祝福』は身体能力の強化などに使うから瘴気を消せないけど、森を出る――安全圏になれば、瘴気の消去に使える。急いでやればどうにかやれるよね?)
(そうだな、ミファ。だが今回は、俺に任せておいてくれ)

 応じてくれていたティルが、クールに悪戯っぽく笑った。
 ??? ?????? ぇ……?

(瘴気に関しては、問題なく対処できるんだ。詳細は現場で説明する)
(そ、そう、なの……? 間違いない、の……?)
(ああ、信じてくれ)「スタッフ殿、そこは些事です。お気になさらずに」

 ティルはさらっと衝撃的な発言をして、幼馴染がそういうので私達は出発。預けていた馬車に乗り、北西へと走り出したのでした。
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