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第11話 1つめの因果応報 俯瞰視点(2)

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「……え? 後ろ……? なんなのだ――………………」
「? なに? どうしたの――…………」
「お父様、お母様……? なにをきゅうに――…………」

 背後から声が聞こえ、まずはロークが振り向き固まる。そんな姿を不思議に思ったリリアンが遅れて振り返り、固まる。その姿を見たマリアンが慌てて振り返り、同じように固まる。
 まるで凍ったかのように身体が硬直して、順番にブルブルと震えだす。突然おかしな反応をし始めた理由は、

「…………お前らは……。マイク……。ロビン……」

 気に入らないからと無実の罪で陥れ、その結果貴族籍を失う羽目になった者。目の前にいたのは、かつて自分たちが人生を滅茶苦茶にした人間――その中の2人だったからです。

「どうして……。ここに……」
「お前らが大失敗をしたって噂を聞いて、行方を探してたんだよ」
「ずっと、あの時の礼をしたかったからなぁ」

 これまでローク達は貴族だったため、なかなか手を出せませんでした。それがあの出来事により地位も財も失ってしまったことで、簡単に手が届くようになっていたのです。

「あの時陥れてくれて、ありがとうな。おかげで俺達は、何遍も地獄を見たゼ」
「突然すべてを失って、あの時は絶望した。諦めたことだって何度もある。でもなあ。そのたびに立ち上がることができたんだよ。お前らのおかげ・・・でな」

 もう死んでしまった方が楽だ。でも……ここで命を絶ってしまったら、自分を陥れた奴らに復讐できない。
 このまま負けてたまるか。どんなに苦しくても生きて、いつか必ず復讐してやる……!!
 そんな思いで地獄のような状況を乗り越え、やがて被害者たちは一か所に集う。ひとりでは無理なことも全員で力を合わせれば達成できると考え、被害者である元貴族6人全員が合流していたのでした。

「お前らのおかげで俺達は信頼を失い、そのせいで貴族界を離れてもまともな仕事に就けなくなっちまった。今のお前らのようにな」
「そのおかげで残飯を漁ったりゴミ箱から服を拾ったり――。屈辱的なことを何十何百回と繰り返したっけなぁ」
「成金共にしっぽ振って、金を恵んでもらったこともあったよなぁ。生きるためとはいえ情けなくて情けなくて、揃って悔し涙を流したもんだが――ははっ。何がどこで役立つか分からないもんだな」
「まったくだ。まさかアレが役に立つだなんて、夢にも思って――ん? なんだ?」

 マイクとロビンがケラケラと笑っていた、そんな時でした。突然――
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