わたしを追い出した人達が、今更何の御用ですか?

柚木ゆず

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第1話 楽しいはずのティータイムが 俯瞰視点(3)

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「お父様! お父様っ、確認をしたいですわ!」

 突然、ピタリと動きを止めたエミリー。そんな彼女の顔は、勢いよく右を向きました。

「どうしたら……――かっ、確認!? なっ、なんだマリオン!?」
「エミリーを追い出した! そのことはっ、まだ世に広めていなかったはずですわよね!?」
「あ、ああ! まだどこにも広めてはいないっ!」

 妹に頻繁に暴力を振るっていた、いつも暴言を吐いていた、などなど。エミリーの不祥事を捏造し、それを理由に追放したと――自分達にダメージが入らない形にして、あの件を発表する予定でした。
 ですがエミリーの評判は想像以上に良く、今の状態で発表しても怪しまれてしまう。そこで不自然ではない状況を作るために、少しずつエミリーの悪評を撒いていたのです。

「そっ、それがっ、なんなのだ!?」
「だったらこのお屋敷の人間以外は誰も真実を知りませんわ!! なら! エミリーをお屋敷に連れ戻せばいいんですわ!!」

 自分に怪我・・をさせた人間が戻ってくるのは、嫌。不愉快。許せない。
 でも居なかったら、非常に面倒なことになってしまう。
 そんな理由でマリオンは、そのような提案をしました。

「そ、それは、そうだけど……。あれから一か月も経っているわ……。今から探しても見つかるかどうか――」
「『も』ではない! 『まだ』一か月だっ!! 今ならまだ間に合う!! きっと生きているさエミリーは!!」
「そ、そうね。そうだわっ。急げば連れ戻せ――待って頂戴……。もしアレが見つかったとしても、わたし達に大人しく従うとは思えないわ……」

 あのような形で追い出した元家族が、突然戻ってこいと言う。いくらなんでも怪しすぎる。
 しかも公爵令嬢の件を伝えると絶対に拒否するため、それらを秘密にしたまま説得しないといけない。
 リリアンの頭の中に、『不可能』の文字が浮かび上がりました。

「そっ、それはっ! それは…………エミリーが見つかってから考えればいいことですわ! きっとなんとかなりますわよ!!」
「そ、そうだな! その通りだ!! とっ、とにかく探そう!! 探している間に協力して考えれば名案が浮かぶだろうしな!! とにかく今はアレを探そう!!」
「そ、そうよね。マイナスなことばかり考えてごめんなさい。とにかく見つけましょ!」

 そうして早速ロークはエミリー捜索の指示を出し、

「だ、旦那様。そろそろ……」
「分かっている! 急いで行く!!」

 すぐさま使者のもとに向かい、アレコレ理由をつけて暫くは会えないと伝える。それにより、とりあえず猶予を確保、できたのですが――

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