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第7話 1年後~異変~ コンスタン視点(2)
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「………………は?」
舌をもつらせながら行われた説明を聞いた俺は、おもわず間抜けに口を開けてしまっていた。
アマンレ男爵令嬢シャリーが、罪悪感に耐えられなくなって真実を白状しにきた?
その内容は、俺とシャリー・アマンレの浮気?
それを知ったベネディクトは怒って実家に帰った?
ベネディクトは離婚と慰謝料の請求をしてきている?
証拠は揃っていて、どんなに優秀な弁護士を雇っていても負けてしまう?
父上は、なにを言ってるんだ?
「アマンレ男爵家のシャリーと、浮気をしていただなんて。つまらない冗談はやめてくれ」
「……お前には……。私が冗談を言っているように見えるか……?」
「え? い、いや、そうは見えないけど……。そんな女と浮気をしていないのだから、冗談としか思えないんだよ」
あの女は俺に興味があるらしく、姿を見掛けたらすぐ近づいて来ていた。パーティーなどで会うたびに何度も話しをしていたが、それだけ。
それ以上の関係になってはいない。
「それに、ベネディクトが怒って出ていったって……。父上だけじゃなくてベネディクトもおかしい。なんでみんなそんな話を信じてるんだ? 証拠が揃っているって、何が揃っているんだ?」
「……お前の私物をシャリー・アマンレが持っていて、シャリー・アマンレの私物がお前の部屋にあった。加えて、そういった周囲の証言も多数あったのでな……。我々は信じざるを得なかったのだよ……」
「私物が!? 俺の部屋とソイツの部屋に!? バカな!?」
俺はアイツに私物を渡したことはないしっ、私物を受け取ったこともないんだぞ! どうなっている!?
「こっ、これは罠だ! 誰かの企みだ! 浮気を捏造するために何者かが俺の物を渡してっ、アイツの物を忍ばせたんだ!」
「……それは、有り得んよ……。シャリー・アマンレがお前に渡したという私物には、しっかりとお前の指紋がついていた。もし何者かが秘密裏に隠したのであれば、お前の指紋はつかんよ……」
「指紋!? どうなってるんだ!? なにも受け取っていないのになぜ俺の指紋がついているんだ!?」
ワケが分からない!!
眠っている間に勝手に歩き出して無意識のうちにシャリーと関係を深めていたとでも言うのか!? いいやっ、そんなことがあるはずがない!
じゃあ、なんなんだ……!?
「そもそも屋敷内は、信用できる者で固めているだろう。お前を陥れる理由がない」
「そ、それはそうだけど……。俺は無実なんだよ!! 確かに何度か個人行動をしていた時があったがっ、それは浮気なんかではなくて――」
「……コンスタン、これ以上言い訳は聞きたくないわ……。もう、手遅れよ……」
「先ほど言ったように、顧問弁護士でもどうにもできないそうだ……。我々は、ハークオス家に慰謝料を支払うに羽目になったのだよ……」
「あっ、あり得ない!! これは悪夢か!? 悪夢なんだよな!?」
コレは、悪夢ではなかった……。
俺は無実だから徹底的に反論をして裁判に持ち込んだが、結果はこちらの負け……。
それによって裁判所から、慰謝料1億ベーラルの支払いを命じられてしまい――
舌をもつらせながら行われた説明を聞いた俺は、おもわず間抜けに口を開けてしまっていた。
アマンレ男爵令嬢シャリーが、罪悪感に耐えられなくなって真実を白状しにきた?
その内容は、俺とシャリー・アマンレの浮気?
それを知ったベネディクトは怒って実家に帰った?
ベネディクトは離婚と慰謝料の請求をしてきている?
証拠は揃っていて、どんなに優秀な弁護士を雇っていても負けてしまう?
父上は、なにを言ってるんだ?
「アマンレ男爵家のシャリーと、浮気をしていただなんて。つまらない冗談はやめてくれ」
「……お前には……。私が冗談を言っているように見えるか……?」
「え? い、いや、そうは見えないけど……。そんな女と浮気をしていないのだから、冗談としか思えないんだよ」
あの女は俺に興味があるらしく、姿を見掛けたらすぐ近づいて来ていた。パーティーなどで会うたびに何度も話しをしていたが、それだけ。
それ以上の関係になってはいない。
「それに、ベネディクトが怒って出ていったって……。父上だけじゃなくてベネディクトもおかしい。なんでみんなそんな話を信じてるんだ? 証拠が揃っているって、何が揃っているんだ?」
「……お前の私物をシャリー・アマンレが持っていて、シャリー・アマンレの私物がお前の部屋にあった。加えて、そういった周囲の証言も多数あったのでな……。我々は信じざるを得なかったのだよ……」
「私物が!? 俺の部屋とソイツの部屋に!? バカな!?」
俺はアイツに私物を渡したことはないしっ、私物を受け取ったこともないんだぞ! どうなっている!?
「こっ、これは罠だ! 誰かの企みだ! 浮気を捏造するために何者かが俺の物を渡してっ、アイツの物を忍ばせたんだ!」
「……それは、有り得んよ……。シャリー・アマンレがお前に渡したという私物には、しっかりとお前の指紋がついていた。もし何者かが秘密裏に隠したのであれば、お前の指紋はつかんよ……」
「指紋!? どうなってるんだ!? なにも受け取っていないのになぜ俺の指紋がついているんだ!?」
ワケが分からない!!
眠っている間に勝手に歩き出して無意識のうちにシャリーと関係を深めていたとでも言うのか!? いいやっ、そんなことがあるはずがない!
じゃあ、なんなんだ……!?
「そもそも屋敷内は、信用できる者で固めているだろう。お前を陥れる理由がない」
「そ、それはそうだけど……。俺は無実なんだよ!! 確かに何度か個人行動をしていた時があったがっ、それは浮気なんかではなくて――」
「……コンスタン、これ以上言い訳は聞きたくないわ……。もう、手遅れよ……」
「先ほど言ったように、顧問弁護士でもどうにもできないそうだ……。我々は、ハークオス家に慰謝料を支払うに羽目になったのだよ……」
「あっ、あり得ない!! これは悪夢か!? 悪夢なんだよな!?」
コレは、悪夢ではなかった……。
俺は無実だから徹底的に反論をして裁判に持ち込んだが、結果はこちらの負け……。
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