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エピローグ その後のその後~アーサー&マノンside~ アーサー視点(2)

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((…………さて。こっちは一足先に、次の準備に移ろうか))

 ライスシャワーが終わり、改めてマノンに祝福の言葉を贈ったあとのこと。俺は他の方々よりも少しだけ早く、マノンとライオット様を囲んでいた輪の中から抜けた。

 ――式当日に空を飛ぶ2匹のハトを見たら、その夫婦はいつまでも幸せに過ごせる――。

 この国にはそんな言い伝えがあって、ちょっと反則的なことなのだけれど――。これから友人に頼んで、飛んでもらうことにしているのだ。

((マノン、ライオット様。余計かもしれないけど、兄と義兄からのプレゼントを受け取ってください))

 俺は微苦笑を浮かべながら教会を出て、人気(ひとけ)がない方向へと進んでゆく。そこではオスとメスのハトシールとライアに待ってもらっていて、これから飛ぶタイミングを伝えにいく――

「アーサー様。少しだけ、お時間をよろしいでしょうか?」

 ――伝えに行こうしていたら、背後からシルクのように柔らかい声がやって来た。
 この声の主は、アリサ様。今日の主役の一人、ライオット様の妹君だ。

「ええ、構いませんよ。如何されましたか?」

 シールとライアに飛んでもらうまでは、まだ時間がある。そこで向き直りブルーの瞳を見つめると、アリサ様は一度下に視線を向けた後、小さく息を吐いてから目線をもとの位置へと戻されて――

「…………アーサー様。先ほどのブーケトトスで、ブーケをいただいたので……。わたくし、勇気を出すことに致しました」

 マノンが投げて、アリサ様が手にしたもの。カサブランカのブーケをぎゅっと胸元で抱き、俺の瞳を真っすぐ見つめられたのだった。


 それは、俺にとっての転機。


 こうして今度は俺に『縁』が生まれ、それから1年後――。ウチとレンダーリフ侯爵家の結びつきは、意図せず更に強いものとなったのだった――。








 ※明日からは番外編として、リクエストをいただいたお話を投稿させていただきます。
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