金遣いが荒い家族のせいで辛い思いをしましたが、その代わりに大切な人と出会えました

 お父様とお母様とお姉様は昔からお金の使い方が荒く、注意をしても聞く耳を持ってはくれません。それどころか五月蠅いとわたしを冷遇するようになり、ずっと様々な嫌がらせを受けてきました。
 その結果案の定我がレリファーティス子爵家の懐事情は厳しくなってしまい、けれど、それでも3人の浪費は止まりません。お父様達はご先祖様が遺してくれた貴重な物を売ってお金にするようになってしまい、それができなくなると――わたしが大切にしているおばあ様の形見の指輪を売り、自分達が欲しい物を買おうとし始めたのです。

 ――その時のわたしは、まだ知りませんでした――。

 これまでで最も辛い出来事が起きた日がやがて、これまでで最も幸せな出来事が起きた日に変わることを。

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