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第2話 失笑 マルグリット視点(3)

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「そういえば――。貴方がたは、ウチの支援を利用して事業を計画されていましたね?」

 その2はなに!? 何をするつもりなの!? お父様達と一緒に息を呑んでいたら、クロード様はわたし達を見回してきた。
 お父様とお母様は元々事業に興味を持っていて、結婚の話を持ち掛けた際にちょうど・・・・あちらから支援のお話が出た。お金だけじゃなくて大きな商会のルートやノウハウも借りることができるから大喜びでお願いをしていて、再来月に始動する予定になっている――もう3分の2以上、準備が終わっている。

「「「まさか!」」」
「ええ、そのまさかですよ。最愛の人の正しい主張にあのような反応をしていて、あまつさえ悪意に満ちた結婚を計画した。そんな人間に手を貸すはずはなく、あのお話はなかったことにさせていただきます」

 やっぱり……。思った通りだった……。
 うちの事業は、ラファオール伯爵家ありき。お父様とお母様だけじゃルートやノウハウが足りなくって、なによりお金が足りないから……。
 協力してもらえなくなったら、あっという間に崩壊してしまう!

「そっ、そんなことになったら大変なことになってしまうわ――しまいますっ! クロード様、お考え直しをっ!」
「「お願い致します!! そう仰らずに……。どうかご慈悲を……!!」」
「貴方がたは、慈悲を得られる資格のない人間です。ああいった悪心がなければ義姉、義父、義母にはできる限りの力添えをしていましたが、そのような気持ちは微塵も湧いてきませんよ」

 両膝をついて胸の前で組んでみたけど、駄目……。クロード様は淡々と首を左右に振って、懇願は受け入れられなかった……。

((ぁぁぁぁ。これじゃあ、借金まみれになって――ううん! それ以上に悲惨な状況になってしまうわ……))

 だから、何とかしないといけない。どうにかして撤回してもらわないといけない。
 でも全てバレてしまっているから、挽回は不可能で……。
 でも、でも! それでも、考え直していただかないといけなくって。

((どうしよう。どうしようどうしよう。どうすればいいの!?))

 心の中で頭を抱えて、天を仰いで――いた、その時だった。

 にやり。

 不意に、お父様の口元が緩んだ。
 その表情。もしかして、名案が浮かんだ……!?

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