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第13話 全てが終わって 俯瞰視点

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「アルマ、全てが終わったよ。……このたびは、申し訳ありませんでした」

 森にて発生した恐怖の鬼ごっこが終わり、マルセル、ニック、そしてベルナールを連行し終わったあと。カミーユはフェニアック邸を訪れ、片膝を付いた謝罪を――この国で最大の謝意を示す体勢を、取りました。

「君にたくさんの迷惑をかけて、いくつもの不要な戸惑いを生んでしまうことになった。周囲を騒がしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
「そんな、頭をお上げくださいっ。カミーユ様は最初から信じてくださっていて、驚きはしたものの不安は一度も覚えませんでした。それにこの出来事は、あの方が企てたもの。カミーユ様は無関係です」
「いいや、それは違うよ。僕がちゃんと周囲に気を配っていれば、防げた悪巧みなのだからね」

 今回の件は、カミーユ不在の時に生まれ動き出していたものでした。とはいえベルナールの性質を100%把握できていたら、警戒をして防げていた。

 最愛の人を、僅かも困らせることはなかった。

 彼はソレが、そうできなかった自分が、許せなかったのです。

「そこで、お詫びや償いをしたいのだけれど……。そうすれば、それはただの自己満足になってしまう」

 アルマはその必要がないと感じてくれていて、無理を通せば悲しませてしまう羽目になる。それを確信していたため、実行に移すことはできませんでした。

「だからね、アルマ。僕はその代わりに、この場で君に誓うよ。……こんなことはもう、二度と起こさないと」

 誰がどんな形で企もうが、関係はない。悪しき者の魔の手がアルマへと伸びてくる前に、ソレを叩き切る。アルマが認識する前に悪意を消滅させ、金輪際動揺さえも発生させない。

 いつも笑顔で居られる日々を、いつまでも守り続ける。

 真っすぐな瞳と静かながらも固く強い意志が宿った声で以て、カミーユは愛する人へと告げました。

「たとえこの先不可能と言われることが起きても、それを可能にすると約束します。なので――。アルマ。僕の最愛の人。貴方にお願いがあります」
「…………はい」
「どうか、これからも共に歩んでゆくことをお許しください。我が人生最大の栄誉、幸せを、お与えください」

 一番の願い・・・・・を伝えたカミーユは、正面へと真っすぐ手を伸ばします。そして、その先にいたアルマは――

「喜んで。いつまでもずっと、一緒に歩いてください。歩かせてください。カミーユ様!」

 即答。瞳を潤ませ顔を綻ばせながら、迷わずその手を取ったのでした――。


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