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第6話 お礼…… ジャゾン視点

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「おれい……。なにをするつもりだ……」

 可能性がありすぎて、絞れない……。
 コイツは――コイツらは……。なにを、考えているんだ……!?

「そうですね。拘束して、シビーユのもとに届ける――」
「やめてくれぇえ! 頼む!! 頼むからやめてくれ!! それだけはやめてくれえ!!」

 そんなことをされたら、死んでしまう!! 逃げたことも上乗せされてっ、散々苦しんだあと殺されてしまう!!

「シビーユに届けると、元凶とほぼ同類である人間を助けることになってしまう。それにそうしてしまうと、直接怒りをぶつけられなくなってしまう。それは却下ですね」

 よ、よかった……。
 最悪の事態は、避けられ――

「ですから、拷問をしましょう」

 ――よく、ない……。
 むしろ、逆……。シビーユに捕らえられた以上のことに、なってしまう……。

「まずは縛り上げて身柄を拘束し、荷物に偽装して僕の家に運びましょう。地下室にある柱に縛り付けて、様々な『痛い思い』をしていただきましょうか。寿命で死ぬまで、ずっと」
「寿命で死ぬまで!? まっ、待てくれ――待ってください! そこまでのことはしていませんっ!」

 敢えて殺さずにいたぶり続けるだなんて!! やりすぎだ!!
 婚約を解消して追放を命じただけなんだぞ!? シルヴィの身体には一切危害を加えていないんだぞ!?
 重過ぎる!!

「『そこまでのこと』なのかそうでないのかは、お前・・が決めることじゃない。僕が決めることだ」
「……………………」
「さっきも言っただろう? 5年前に大切な人を絶望させ、今は苛立たせているお前が、憎たらしいんだ。お前がかつて彼女にそうしたように、地獄を見せてやるよ。嫌というほどにな」

 ヤツの目付きが別人のように鋭くなり、声音も低いものに変わった……。
 こ、コイツは本気だ……。脅しじゃない……。本当にやる……!!

「た、たす、たす、けて……。たすけ、て……」

 本気だと感じた瞬間、頭の中を様々な拷問が駆け巡り……。目や口や股から、一斉に液体が溢れ出す……。
 誰かに激しく揺すられているくらい、身体が震えて……。
 喋る余裕なんて、ない、けど……。死にたく、ないから……。懸命に力を込めて、口を動かす……!

「お……が……ます……。たす、けて……! な、でも……なんでも、しま……す……す……します、から……! たすけて……! いちどだけ……チャンス……さい……! ください……チャンス、を……!」

 嫌! 嫌なんだ! 死にたくない!
 頼む! 頼むっ! 頼む!!
 反省するからっ! 心を入れ替えるから!! 一生をかけて償うから!! どうかっ、どうか……っっ。許して――

「……良いことを思い付いた。その手伝いをするというのなら、特別に拷問はやめてやってもいいぞ」

 ――え……?
 ゆるして、くれる……?



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