38 / 52
第13話 愚かな王の末路 俯瞰視点(4)
しおりを挟む
「あ、ああ……。あ、あああ……。ぁぁぁぁぁ――」
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ!!」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキッツ!!」」」」
「――ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!! うあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
異形は一斉に飛び掛かり、ジスランはそれを辛うじて交わし、再び全力で逃走を開始。死に物狂いで森の中を駆け、
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ……?」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキ……?」」」」
今度は十五分ほどの全力疾走によって異形を撒き、傍にあった大木の陰に身を潜めます。そして、
「よかった……。今度こそ、大丈夫だ……。ちゃんと、逃げ切れ――」
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキッツ」」」」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!! またでたぁああああああああああああああああああああ!?」
撒いたはずの異形たちがいつの間にか居て、ジスランは悲鳴をあげて逃走。みたび死に物狂いの逃走が始まりました。
「ま、まただ……! また来ぁぁぁ……!! どうやったらっ、アイツらから逃げ切れるんだぁぁぁぁぁぁ!? わたしはいつまでっ、こうしなければならないんだぁぁぁぁぁ!!」
その答えは、
――清算が終わるまで――。
これまで多くの人間に恐怖を与えて続けてきた、国王ジスラン。彼らは他者に植え付けてきた分の恐怖を全て味わうまで、こうして追いかけごっこを続ける運命を定められてしまっていたのです。
そのため――
「今度こそっ!! にげきるぅぅぅうぅううううううううううううう!!」
そう叫んでいますが、残念ながらそんな時は訪れません。
彼はこれから100年間、怯えながら逃走を続ける羽目になってしまったのでした――。
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ!!」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキッツ!!」」」」
「――ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!! うあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
異形は一斉に飛び掛かり、ジスランはそれを辛うじて交わし、再び全力で逃走を開始。死に物狂いで森の中を駆け、
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ……?」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキ……?」」」」
今度は十五分ほどの全力疾走によって異形を撒き、傍にあった大木の陰に身を潜めます。そして、
「よかった……。今度こそ、大丈夫だ……。ちゃんと、逃げ切れ――」
「「「「「チチチチチッ。チチチチチ」」」」」
「「「「キキキキキッ。キキキッツ」」」」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!! またでたぁああああああああああああああああああああ!?」
撒いたはずの異形たちがいつの間にか居て、ジスランは悲鳴をあげて逃走。みたび死に物狂いの逃走が始まりました。
「ま、まただ……! また来ぁぁぁ……!! どうやったらっ、アイツらから逃げ切れるんだぁぁぁぁぁぁ!? わたしはいつまでっ、こうしなければならないんだぁぁぁぁぁ!!」
その答えは、
――清算が終わるまで――。
これまで多くの人間に恐怖を与えて続けてきた、国王ジスラン。彼らは他者に植え付けてきた分の恐怖を全て味わうまで、こうして追いかけごっこを続ける運命を定められてしまっていたのです。
そのため――
「今度こそっ!! にげきるぅぅぅうぅううううううううううううう!!」
そう叫んでいますが、残念ながらそんな時は訪れません。
彼はこれから100年間、怯えながら逃走を続ける羽目になってしまったのでした――。
1
お気に入りに追加
1,331
あなたにおすすめの小説
宮廷画家令嬢は契約結婚より肖像画にご執心です!~次期伯爵公の溺愛戦略~
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
ファンタジー
男爵令嬢、アマリア・エヴァーレは絵を描くのが趣味の16歳。
あるとき次期伯爵公、フレイディ・レノスブルの飼い犬、レオンに大事なアトリエを荒らされてしまった。
平謝りしたフレイディにより、お詫びにレノスブル家に招かれたアマリアはそこで、フレイディが肖像画を求めていると知る。
フレイディはアマリアに肖像画を描いてくれないかと打診してきて、アマリアはそれを請けることに。
だが絵を描く利便性から、肖像画のために契約結婚をしようとフレイディが提案してきて……。
●アマリア・エヴァーレ
男爵令嬢、16歳
絵画が趣味の、少々ドライな性格
●フレイディ・レノスブル
次期伯爵公、25歳
穏やかで丁寧な性格……だが、時々大胆な思考を垣間見せることがある
年頃なのに、なぜか浮いた噂もないようで……?
●レオン
フレイディの飼い犬
白い毛並みの大型犬
*****
ファンタジー小説大賞にエントリー中です
完結しました!
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
悪役令嬢ですか?……フフフ♪わたくし、そんなモノではございませんわ(笑)
ラララキヲ
ファンタジー
学園の卒業パーティーで王太子は男爵令嬢と側近たちを引き連れて自分の婚約者を睨みつける。
「悪役令嬢 ルカリファス・ゴルデゥーサ。
私は貴様との婚約破棄をここに宣言する!」
「……フフフ」
王太子たちが愛するヒロインに対峙するのは悪役令嬢に決まっている!
しかし、相手は本当に『悪役』令嬢なんですか……?
ルカリファスは楽しそうに笑う。
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです
珂里
ファンタジー
ある日、5歳の彩菜は突然神隠しに遭い異世界へ迷い込んでしまう。
そんな迷子の彩菜を助けてくれたのは王国の騎士団長だった。元の世界に帰れない彩菜を、子供のいない団長夫婦は自分の娘として育ててくれることに……。
日本のお父さんお母さん、会えなくて寂しいけれど、彩菜は優しい大人の人達に助けられて毎日元気に暮らしてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる