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第7話 同時刻 ターザッカル邸内では 俯瞰視点(1)
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「…………では、始めるとしようか」
「ええ。それじゃあリヴィア」
「うん、お父様お母様。かんぱいっ!」
セレスティン達の2つ目の目的地、ターザッカル伯爵邸。その1階部分にある、広々としたスペース・食堂。
そこでは父セゼール、母エミリ、長女リヴィアが、作戦の成功を祝っていました。豪勢な食事と大量の札束が並ぶ食卓を、満面の笑みを浮かべて眺め回しながら。
「はっはっは。エミリ、リヴィア。途中多々苦労したものの、上手くいってよかったなっ!」
「そうね、あなた。一時はどうなることかと思ったけれど、最高の形になったわね」
「生贄に選ばれた時は、心臓が止まるかと思ったわ。だけど黒魔術のおかげで、逆転っ。地獄から天国になって、おまけにこんなものまで手に入っちゃった」
リヴィアが上機嫌で見つめている、計100もの札束。ここにある1億ギルース(1ギルース=1円の価値)は、生贄を差し出したことへの対価。国のために犠牲になってくれたことへの感謝と謝罪を込め、『家』に大金が渡されることになっていたのです。
「あのお金だけでも結構な額だったのに、こっちは別格っ。こんなにお金があったら、なんでも買えちゃう。ずっと欲しかったアクセサリーもリングも、簡単に変えちゃう」
「ふふふ、そうね。でも、あら? 何か……他にも、それも大きなプラスがなかったかしら?」
「はっはっは、どうやら忘れてしまっているようだな? エミリ、リヴィアもだ! 生贄を出した『家』は、待遇が飛躍的によくなる。これから我々の人生は、もっともっと輝くことが約束されたのだよっ!」
「ああっ、そうだわ。そうだったわ」
「いっけな~い。すっかり忘れちゃってたわ~」
「「「ははははははははっ! あ~っはっはっは!」」」
もちろんエミリとリヴィアが忘れているはずはなく、これはしょうもないお芝居。3人はこうやって改めて現状を喜び、仲良く同じ方向を――今はもう、誰も座っていない椅子を見つめました。
「我々に、特大の安泰をもたらしてくれたのだ。今日ばかりは、ラシェルには感謝せねばならんな」
「わたくしも、そう思っていたところよ。……ラシェル、ありがとう。今まで問題発言ばかりしていた貴方だけれど、これで帳消しにしてあげるわ」
「わたしも色々と腹が立つことがあったけど、全部許してあげる。ありがとうね、ラシェル」
彼女達に、罪悪感など一切ありません。そのため更に上機嫌になって大笑いをし、3人はニコニコ笑顔で食事を始めることとなりました。
ですが――
「ん?」
その直後の、ことでした。父セゼールはふと、違和感を覚えて――
「ええ。それじゃあリヴィア」
「うん、お父様お母様。かんぱいっ!」
セレスティン達の2つ目の目的地、ターザッカル伯爵邸。その1階部分にある、広々としたスペース・食堂。
そこでは父セゼール、母エミリ、長女リヴィアが、作戦の成功を祝っていました。豪勢な食事と大量の札束が並ぶ食卓を、満面の笑みを浮かべて眺め回しながら。
「はっはっは。エミリ、リヴィア。途中多々苦労したものの、上手くいってよかったなっ!」
「そうね、あなた。一時はどうなることかと思ったけれど、最高の形になったわね」
「生贄に選ばれた時は、心臓が止まるかと思ったわ。だけど黒魔術のおかげで、逆転っ。地獄から天国になって、おまけにこんなものまで手に入っちゃった」
リヴィアが上機嫌で見つめている、計100もの札束。ここにある1億ギルース(1ギルース=1円の価値)は、生贄を差し出したことへの対価。国のために犠牲になってくれたことへの感謝と謝罪を込め、『家』に大金が渡されることになっていたのです。
「あのお金だけでも結構な額だったのに、こっちは別格っ。こんなにお金があったら、なんでも買えちゃう。ずっと欲しかったアクセサリーもリングも、簡単に変えちゃう」
「ふふふ、そうね。でも、あら? 何か……他にも、それも大きなプラスがなかったかしら?」
「はっはっは、どうやら忘れてしまっているようだな? エミリ、リヴィアもだ! 生贄を出した『家』は、待遇が飛躍的によくなる。これから我々の人生は、もっともっと輝くことが約束されたのだよっ!」
「ああっ、そうだわ。そうだったわ」
「いっけな~い。すっかり忘れちゃってたわ~」
「「「ははははははははっ! あ~っはっはっは!」」」
もちろんエミリとリヴィアが忘れているはずはなく、これはしょうもないお芝居。3人はこうやって改めて現状を喜び、仲良く同じ方向を――今はもう、誰も座っていない椅子を見つめました。
「我々に、特大の安泰をもたらしてくれたのだ。今日ばかりは、ラシェルには感謝せねばならんな」
「わたくしも、そう思っていたところよ。……ラシェル、ありがとう。今まで問題発言ばかりしていた貴方だけれど、これで帳消しにしてあげるわ」
「わたしも色々と腹が立つことがあったけど、全部許してあげる。ありがとうね、ラシェル」
彼女達に、罪悪感など一切ありません。そのため更に上機嫌になって大笑いをし、3人はニコニコ笑顔で食事を始めることとなりました。
ですが――
「ん?」
その直後の、ことでした。父セゼールはふと、違和感を覚えて――
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