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第5話 繰り返していた、だけ アエラ視点(2)
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「どうなりますの……!? これから、どうなりますの……っ!?」
頭を抱えて俯き、顔を上げて見つめてきたレベッカ。彼女は前のめりになって、わたしに対してこんなことを言い出した。
「どうなるって? なにが?」
「決まっているでしょうっ! わたくしの『心』についてですわっ!! 事実を認識したら、コレは元に戻りますの……? 時間が経てば、失ったものは戻ってきますの……!? わたくしはあの頃に戻りたいのにっ、もうあの頃には戻れませんのっ!? そんな理由ならずっとロバン様との関係を持っていたいのにっ、無理なんですの!? 無理ではなくて可能なんですの!?」
「それは、貴方自身の問題だもの。わたしには分からないし、一緒に考えるつもりもないわ」
だって、相手はレベッカ。更にわたしの時間を割く理由はない。
「そんなっ! わたくしたちは幼馴染でしょう!? ねえ! ねえっ!!」
「わたし達は、幼馴染、だったのよ。……レベッカ、ファビアンおじ様、その件にわたしは無関係だと証明されました。これ以上貴方がたとお話しをするつもりはありませんので、お引き取り願います」
「っっ。言われなくても今すぐ帰るつもりだ!! レベッカっ、こんな人間に頼るのはやめよう! お父さんが一緒に考えてどうにかしてやろう! とりあえず屋敷に戻って一旦落ち着こうじゃないかっ!」
おじ様は――おじ様とレベッカは、最初から最後までやりたい放題。なぜか声を荒らげながら乱暴に立ち上がり、呪いの冤罪や怒鳴り込みについて一切謝罪することなく去っていったのでした。
〇〇
「お嬢様、お疲れ様でございました。……あの者達は、これからどうなるのでしょうかね……?」
「そうね……。あの子の性格なら、きっと――」
頭を抱えて俯き、顔を上げて見つめてきたレベッカ。彼女は前のめりになって、わたしに対してこんなことを言い出した。
「どうなるって? なにが?」
「決まっているでしょうっ! わたくしの『心』についてですわっ!! 事実を認識したら、コレは元に戻りますの……? 時間が経てば、失ったものは戻ってきますの……!? わたくしはあの頃に戻りたいのにっ、もうあの頃には戻れませんのっ!? そんな理由ならずっとロバン様との関係を持っていたいのにっ、無理なんですの!? 無理ではなくて可能なんですの!?」
「それは、貴方自身の問題だもの。わたしには分からないし、一緒に考えるつもりもないわ」
だって、相手はレベッカ。更にわたしの時間を割く理由はない。
「そんなっ! わたくしたちは幼馴染でしょう!? ねえ! ねえっ!!」
「わたし達は、幼馴染、だったのよ。……レベッカ、ファビアンおじ様、その件にわたしは無関係だと証明されました。これ以上貴方がたとお話しをするつもりはありませんので、お引き取り願います」
「っっ。言われなくても今すぐ帰るつもりだ!! レベッカっ、こんな人間に頼るのはやめよう! お父さんが一緒に考えてどうにかしてやろう! とりあえず屋敷に戻って一旦落ち着こうじゃないかっ!」
おじ様は――おじ様とレベッカは、最初から最後までやりたい放題。なぜか声を荒らげながら乱暴に立ち上がり、呪いの冤罪や怒鳴り込みについて一切謝罪することなく去っていったのでした。
〇〇
「お嬢様、お疲れ様でございました。……あの者達は、これからどうなるのでしょうかね……?」
「そうね……。あの子の性格なら、きっと――」
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