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第4話 え……? フルク視点(3)

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「はあ!? どういうことだ!? 分かるように言いやがれ!!」
「シメオン様。そのお話は――」
「すみません姉さん。貴方のお気持ちを尊重したかったのですが、思いやりを無下にされるのは我慢なりません。この愚か者に分からせるため、公表をさせていただきます」

 一歩前に出たペリーヌに、丁寧な礼を行ったシメオン。それを終えるとヤツの顔は再び険しいものとなり、真っすぐ俺を見据えた。

「……単刀直入に伝えましょう。『もしも自ら真実を白状し心から悔い改めたのなら、温情を与えて欲しい』。それが姉さんから父上へのお願いで、僕達はそれを尊重し、気が付いていないフリをし続けていたんですよ」

 浮気が原因での魅了が発覚した際、父上や母上は酷く憤った。王太子としての――国を担う者としての自覚があまりにもないのだと呆れ返り、すべてを剥奪した上での幽閉を決めたそうだ。
 だがそんな時――

『もし心から反省されているのであれば、チャンスを与えていただけないでしょうか?』

 万が一キトリー様が他国と協力関係にあったら、最悪有事に繋がりかねなかった。など個人の問題では済むものではなく、極めて軽はずみな行動だった。
 ただその浅慮さは、王太子妃であるわたくしの責任でもある。
 足りないところを埋め補うことも王太子妃の役目で、それが100%できていなかった。なのでしっかりと省みているのであれば、生意気に聞こえるかもしれませんが、面倒を見させていただきたい。
 じっくりと話し合って問題点を改善させ、もちろん表舞台に戻ることはないものの、裏方など『陰』として生きていけるようにしたい。
 と、訴えていたらしい……。

 つまり……。
 つまり、だ……。

((余計なことをせずに、開口一番謝罪をしていれば……。幽閉されずに済んでいた……))

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