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第4話 え……? フルク視点(1)

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「最後まで、うそ……? なにを……言っているんだ……? い、いつ? 俺がいつ、どんな嘘を……吐いたっていうんだ……?」
「『キトリーは周りに誰もいないタイミングで体調不良を訴えてきて、俺は手を取って医務室へと向かおうとした』『その際に背後から思い切り殴られてしまい、意識が朦朧とする中で丸薬を呑まされた』など。先ほどの御説明が、該当部分となります」

 ……そんな、バカな……。言い訳が、完全に把握されている……!?

「ちっ、違う! 違うっ、嘘なんかじゃないっ。あれは事実だ! 確かに起きた出来事でっ、その証拠に何度だって正確に説明できるんだよ!!」

 〇〇はどんな状況でどんな風に発生したのか。〇〇はどこで起きて、その際にキトリーはどんな風に動いていたのか。さっき用意した設定を早口でもう一度語り、父上達をぐるっと見回したあと、ペリーヌを見つめた。

「ほらねっ? 言えるだろうっ? 咄嗟に考えた作り話だったら話すたびに細部が違っているけど実際に起きたことを話しているから齟齬がないんだよっ! 信じてくれっ。ペリーヌっ!」
「……残念ですが、貴方様を信じることはできません。何を仰られても認識が変わることもございません」
「なっ、なんでそんな風に言うんだ!? 俺はあるがままの話をしているだけなのにっ! どうして信用してくれないんだ!?」

 ワケが分からないっ。
 俺の言い分は完璧で、キトリーは墓穴を掘ってくれたんだぞ!?
 ますます説得力が出ているのにっ。なぜ誰も信じようとしないんだ!?

「……その理由は、殿下が嘘を吐かれているという証拠があるから。キトリー様に下心を以て自らのご意思で近づき、貴方様の不貞油断不注意で魅了に落ちてしまったと証明できるものがあるため、わたくし達は否定をしているのでございます」

 ………………………………。
 ペリーヌの説明が終わると、父上が手を打ち鳴らし……。父上の側近たちが、十数枚にも及ぶ書類を持ってきて……。

((ぁ、ぁああ……)

 そこには……。そこには……っ。
 秘密裏の外出や接触に関する記録、などなど……。俺とキトリーが関係を持っていたことを証明する内容が、びっしりと記されていたのだった……。
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