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エピローグ その後その2 俯瞰視点(2)

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「ぁあああああああああああああ!!」
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
「ああああああああああああああ!!」
「おおおおおおおおおおおおおお!!」

「あぁぁあああああああああああ!!」
「うぉぉぉおおおおおおおおおお!!」
「ぁああああああああああああっ!!」
「おぉぉおおおおおおおおおおっ!!」

 バチン!! バチン!! バチン!! バチン!!
 大きな乾いた音が休みなく響き渡り、なんと――。平手打ち合戦が始まってから、10分が経過しました。

「アンタが婚約を持ち掛けてこなければああああ!!」
「お前があんな真似をしなければぁああああああ!!」
「死んで詫びろぉおおおおおおおおおおおおおお!!」
「死ぬのは貴様らの方だぁああああああああああ!!」

 すでに4人の顔は腫れ上がり、ボロボロになっていました。ですが理不尽な激怒によって精神が肉体を凌駕しており、4人の手と口が止まることはありません。
 そのため醜い争いは継続し、更に5分が過ぎた頃でした。そんな状況が、不意に変化すこととなります。なぜならば――

「全員、止まれ!!」
「あちらで話を聞かせてもらおうか」

 ――白の制服を纏った男6人、治安を司る機関の人間が現れたからです。

「……派手な喧嘩が発生していると聞いたが……。想像以上だな……」

 4人が争っていたのは、建物の前。大勢の目がある場所でした。
 ですので野次馬のひとりが通報を行い、こうして大急ぎで駆け付けていたのです。

「お前達には、事情聴取を受ける義務が発生している。速やかに相手から手を離し、馬車に乗り込んでもらおう」

 ですので5人のうち4人がフロリアーヌ達に近づき、それぞれを引き離そうとします。
 相手は、逮捕も可能な存在。さしもの4人でも大人しくなる――

「うるさい邪魔をするな!!」
「邪魔をするな!!」
「引っ込んでいろ!!」
「平民如きが指図するな!!」

 ことは、ありませんでした。
 激しい興奮状態にある4人は一斉に睨みつけ、さらには――

「ぐっ⁉」

 引き離そうとしていた治安機関の人間に、手を上げてしまったのでした。

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