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第15話 パーティー ミレーヌside~類は友を呼ぶ~ ミレーヌ視点(2)

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「実は、ミレーヌ様にご相談がありまして……。私は昨日、ヴァティス・ラインズ様からお食事のお誘いをいただきましたの」

 2人でお喋りを始めて、5分ほどが経った頃。リンダがモジモジとしながら、予想外のことを言い出した。
 ヴァティアス・ラインズといえば、侯爵家の長男。しかもお顔はわたくしのタイプで、全てにおいてわたくしの理想の男性なんですの……っ。
 そ、そのラインズ様に……。誘われた……?

((ラインズ様は確か、外遊で隣国にいらっしゃるはず……。なのに、昨日食事を……?))

 そんな事は、あり得ない。
 あり得ない、けど……。リンダに嘘を吐くメリットなんてない・・・・・・・・・・・・・・・・・もの……。経緯(いきさつ)はよく分からないけれど、事実なんですのね……。

「そ、そう、なんですの。そ、それで、わたくしに相談とは?」

 ヒクヒクなる口元を必死に抑えながら、首を左に傾ける。『なんでこんな女が!?』『よりによってなんでわたくしに言ってくるの!?』『腹が立つ!』などなど。爆発しそうな感情をどうにか抑えて、尋ねてみた。

「あ、あの、ですね……。お返事に、迷っているんです……」
「え!? なっ、なぜですのっ!?」
「……私は、顔も心も――外も内も平均で、ミレーヌ様の足元にも及ばない女ですから……。不相応で、自ら身を引くべきなのでは…………って、思っているんです」
「……………………」

 その言葉を聞いてわたくしは言葉を失い、すぐに怒りがこみ上げてきた。

((ようやく、分かりましたわ……! この女、わたくしに背中を押してもらいたいんですのね……っ!))

 その表情、その雰囲気っ。わたくしには分かりますわっ!
 彼女は自分に自信がないから、勇気をもらいたい。答えありきで、口にしているんですわ……!!

((こうしてわざわざグラスを持ってきたのも、そのため……っ。っっ。っっ! ふざけてますわ……!!))

 こんな時に、わたくしを利用しようとするなんて……! しかもよりによって、このタイミングで……っ。ラインズ様のことでなんて……っ。

 ムカつく。ムカつく! ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくっっ!!

 マリエットの反抗。愉しみの消失。お父様とお母様の暴言・・。この無礼。
 あまりにも『悪条件』が重なり、わたくしの感情はもう止まらない。体の奥から、激しいものが一気にこみ上げてきて――

「ミレーヌ様……。どう、思われますか……?」

 そんなふざけた言葉と期待をしている不愉快な眼差しによって、大爆発。気が付くと声にならない声を発していて――

 バシン!!

 リンダの左頬を、思い切りビンタしていた。

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