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第20話 真実を知った妹は ザラ視点(2)
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「「「旦那様っ! お戻りになられたのですねっ!」」」
「ああ、今戻ったが――む? なにやら様子が変だな?」
「ええ、そうねあなた。わたし達が出ている間に、何があったの?」
「発生した時間帯は、不明でございますが……。レナエルお嬢様が、行方を眩まされましてっ! ただいまより捜索を始める次第でございます!」
「なんと、そんなことが……。分かった! 我々も捜索、追跡を行おう」
………………。
あのとき足止めに使った、お父様とお母様。呆然となっていると、二人は三人の臣下と言葉を交わして…………ひぃぃい!? 近づいて来たっ!
「ザラ、我々も一緒にあとを追う。さあ馬車に乗ろう」
「こんなこと許されないわ! さあザラっ! 一緒に追いかけて、必ず捕まえましょっ!」
「……………………お、おとうさま、おかあさま……。どうして、ここにいますの……? あのあと、どうなりましたの……?」
仲良く手を伸ばしてくる二人から、距離を取ってから……。恐る恐る、尋ねてみる。
わたくしが逃げた、あと……。あそこでは、何が起きましたの……?
もしかして、お父様とお母様もうまく逃げ切れた……?
「あのあと? ああ、マリー様は驚いていらっしゃったぞ」
「オーガスティン様を含め5人でティータイムを楽しんでいたら、いきなり走り出すんですもの。とても驚かれていたわよ」
…………ちがう。逃げ切れてなんて、いない……。
お父様とお母様も、オーガスティン様と同じようになってしまっていて……。きっとこれは、わたくしをあの場所に連れ戻そうとしているんですわぁああ!!
「ああ、今戻ったが――む? なにやら様子が変だな?」
「ええ、そうねあなた。わたし達が出ている間に、何があったの?」
「発生した時間帯は、不明でございますが……。レナエルお嬢様が、行方を眩まされましてっ! ただいまより捜索を始める次第でございます!」
「なんと、そんなことが……。分かった! 我々も捜索、追跡を行おう」
………………。
あのとき足止めに使った、お父様とお母様。呆然となっていると、二人は三人の臣下と言葉を交わして…………ひぃぃい!? 近づいて来たっ!
「ザラ、我々も一緒にあとを追う。さあ馬車に乗ろう」
「こんなこと許されないわ! さあザラっ! 一緒に追いかけて、必ず捕まえましょっ!」
「……………………お、おとうさま、おかあさま……。どうして、ここにいますの……? あのあと、どうなりましたの……?」
仲良く手を伸ばしてくる二人から、距離を取ってから……。恐る恐る、尋ねてみる。
わたくしが逃げた、あと……。あそこでは、何が起きましたの……?
もしかして、お父様とお母様もうまく逃げ切れた……?
「あのあと? ああ、マリー様は驚いていらっしゃったぞ」
「オーガスティン様を含め5人でティータイムを楽しんでいたら、いきなり走り出すんですもの。とても驚かれていたわよ」
…………ちがう。逃げ切れてなんて、いない……。
お父様とお母様も、オーガスティン様と同じようになってしまっていて……。きっとこれは、わたくしをあの場所に連れ戻そうとしているんですわぁああ!!
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