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第19話 二人の本音~ピエールside~ ピエール視点(2)

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 復讐のターゲット、エステェ。あの女は変化した僕の容姿に強い興味を持ち、瞳を輝かせながら接触してきたのだった。


『ごきげんよう。私を覚えていらっしゃいますか?』

『カーラ様が、大事な御用があった、と仰られていました。お気になさらないでくださいまし』

『覚えてくださっているとは、思っていなくて。ビックリしました』


 自分を懸命に可愛く見せようとしたり、頬をだらしなく緩めたり。『正反対』のオンパレードに、反吐が出そうになった。
 けれどコレは、格好のチャンス。
 そこで僕は本心を隠してエステェを持ち上げ、そこからはあっという間だった。こちらも好意があると匂わせたら即座に飛びつき、三十分もしないうちに交際が決まったのだった。

((せっかく用意していたプランが使えなくなったが、まあいい。エステェは、婚約破棄で仕留めるか))

 結婚をして操り続ける。そんな案も浮かんだが、こんな女と生涯と共にするなんて御免だ。
 コイツは醜い心の持ち主で、今の僕ならソコを突き――社交場で、大きな失態を演じさせることが可能。盛大な悪評+愛する人との別れ、この二つで絶望を与えてやろうと決めた。

((そのためにはまず、僕達の関係を周囲に認知させないといけない))『僕はこれまでの人生で最も興奮しておりまして、一秒でも早く他の人々にもこの幸せを報告したいと思っています。このあと会場に戻りましたら、その場で公表しても構いませんでしょうか?』

 そこですぐさまこのように提案し、そうして――。その直後だった。
 再び、予想外が発生することになる。

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