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第18話 10年後~記念日に起きること~ キアラ視点(3)

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「………………」

 ココットの実を順調に採っていた私は、せっせと集めていた実の全てを落としてしまっていた。
 だって……。だって――

「………………」
「………………」

 目の前、たぶん10メートルくらい先。そこにあった茂みがガサガサ動いて、男と女が現れたのだから!!

 男の方は真っ黒に日焼けをしたスキンヘッドで、たぶん70歳ぐらいの老人。
 女の方は骨と皮みたいな身体とギョロッとした目が異様な、同じくたぶん70歳くらいの老人。

 そんな人間が……。それぞれ右手にナイフを持って、立っている……。

((コイツらは……。登山に来た、年寄り……?))

 そんなはずはない……。
 だってここは、『死者に冥府に引きずり込まれる』場所。のんきに山登りをするところじゃない……。

((じゃ、じゃあ……。なにかの研究者……?))

 それも、違う……。
 だって、服も見た目もボロボロなんだもの……。そんな目的があるとは思えない……。

((だ、だったら……。もしか、しなくても――))
「…………お前は、キアラ……。キアラだな!?」「…………アナタは、キアラ……。キアラね!?」

 っっ、思った通りだった!
 コイツらはっ、老兵!! アイツらに雇われた追跡者の一角だ!!

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