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第15話 手紙を読んだ三人は キアラ視点(5)
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「アンタ達のせいでぇええ!! ゆるさなあああああああああああ――ぎゃ!?」「お前らのせいでぇええええええええ――ぐあ!?」「貴男たちのせいでええええええええええ――ぁぐっ!?」
思い切り顔を殴るために、飛び掛かろうとしている時だった。突然、脇から大柄の男が3人現れて……。
逆に私達が殴られ、激しく地面を転がってしまった……。
「いくら瀕死の相手でも、なにをしてくるか分からないもんなぁ。ついうっかり言い忘れていて、申し訳ございません。ボディーガードを用意させていただいておりました」
「醜く腫れた頬に、パンチ。ガリー様、セレスト様、キアラ様。御気分はいかがでございますかぁ?」
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
痛いっ、痛みで死にそうなくらい痛い。
顔が破れたような感覚に襲われて地面を転がり回り、激痛で気が遠くなっていく――けど、歯を食いしばってどうにか意識を保った。
だってここで気を失ってしまったら……。拘束されて散々いたぶられたあと、凄惨な方法で殺されてしまうから。
((コイツらなら絶対そうするし、激しく怨んでいるから謝っても許しはしない……。私達に、戦う力なんてない……。だから……))
生き残るには、逃げるしかない。
それはお父様とお母様も同じ考えみたいで、
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
二人も、おんなじことをする。私達は悟られないように引き続きのた打ち回りながら、周囲の状況を確認していく。
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
周りには他にボディーガードはいなくて、敵は3人プラス3人。計6人が私達の前方に居て、ラッキー! 門――敷地からの脱出口は右手側にあって、コイツらを突破しなくても逃げ出せる。
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
状況は幸いにもこっちに味方をしてくれていて、タイミングさえ間違わなければ逃げ切れる。
なので私達は更に痛がるフリを続けて、チャンスを待つ。
「はっはっは、良い具合に苦しんでるな。こんなにも楽しいショーはないなぁ!」
「まったくだ。なあ、このまましばらく眺めないか?」
「賛成です。追撃しなくとも愉快なことになっていますしね。この場でもうしばらく眺め続けましょう」
もう一つラッキーが起きてくれて、3人は――6人全員が、たっぷり油断をするようになった!
《お父様、お母様!》《セレスト、キアラ!》《あなた、キアラ!》
その様子を見た私達は転がりながらアイコンタクトを送り合い、今しかない!!
全員が最高のタイミングで立ち上がり、思い切り地面を蹴って――
思い切り顔を殴るために、飛び掛かろうとしている時だった。突然、脇から大柄の男が3人現れて……。
逆に私達が殴られ、激しく地面を転がってしまった……。
「いくら瀕死の相手でも、なにをしてくるか分からないもんなぁ。ついうっかり言い忘れていて、申し訳ございません。ボディーガードを用意させていただいておりました」
「醜く腫れた頬に、パンチ。ガリー様、セレスト様、キアラ様。御気分はいかがでございますかぁ?」
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
痛いっ、痛みで死にそうなくらい痛い。
顔が破れたような感覚に襲われて地面を転がり回り、激痛で気が遠くなっていく――けど、歯を食いしばってどうにか意識を保った。
だってここで気を失ってしまったら……。拘束されて散々いたぶられたあと、凄惨な方法で殺されてしまうから。
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生き残るには、逃げるしかない。
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「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
二人も、おんなじことをする。私達は悟られないように引き続きのた打ち回りながら、周囲の状況を確認していく。
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
周りには他にボディーガードはいなくて、敵は3人プラス3人。計6人が私達の前方に居て、ラッキー! 門――敷地からの脱出口は右手側にあって、コイツらを突破しなくても逃げ出せる。
「ぁぃぃぃぃぃぃぃ……!!」「ぁがああ……!!」「ぎぃぃぃぃぁぁぁぁ……!!」
状況は幸いにもこっちに味方をしてくれていて、タイミングさえ間違わなければ逃げ切れる。
なので私達は更に痛がるフリを続けて、チャンスを待つ。
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全員が最高のタイミングで立ち上がり、思い切り地面を蹴って――
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