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3話(3)

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(こんな作り話、誰が広めたんだろうねえ? ワルフちゃんはこの噂を、どこで誰から聞いたのかな?)
(あたしは学校に来て、隣のクラスのお友達から聞きました、です。でもでもその子も、他の人から聞いたと言ってました)
(そっか、又聞きかあ。ふむふむぅ)
(お友達に『違うよ』って否定しても、誰も信じてくれません……。お兄さん、どうすればいいですか……?)
(妹のために悲しんでくれて、ありがとう。あとは俺が何とかしてみせるから、ここからは任せてよ)

 私の味方をしてくれていたら、もしかしたら目をつけられてしまうかもしれません。なのでお兄様はサーナさんを席まで送り、自席に座ると顎に右手をやりました。

(この手の行動を起こす際は、起点――自分の正体を誰にも悟られないようにして、噂を流すもの。したがってワルフちゃんやその友人を辿っていっても、犯人にはたどり着けない)
(そ、そうなのですか……? でしたら、どうすればよいのでしょう……)
(こういう場合は十中八九、流布が自然な形となるよう内部の人間を使ってる。つまり犯人は生徒か教師で、どんなに上手くやっても生徒や教師は所詮一般人。となれば、付け入る隙は充分にある)

 少し細まっていた両目が元の大きさになって、私の頭をわしゃわしゃ。いつものように優しく撫でてくださり、パチリと片目を瞑りました。

(作戦は決まった。行動開始はお昼休みで、その時間内に特定してみせるよ)
(さ、流石お兄様ですね……。すみませんが、またお世話になります)
(こっちが好きでやってることだから、気にしないでいいよ。それじゃあ昼休みをお楽しみに)

 こうして今後の行動予定が決まり、その後私達はHRと4時間の授業を行って、いよいよお昼休みの始まり。学舎の給食をいただいたあと、私はお兄様について教室をあとにしたのでした。
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