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番外編その2 想定外と、両親4人のその後 俯瞰視点(7)

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「子は親に似るだと!? 息子があのような暴走をしたのを忘れたのか!? いいかっ!? お前の愚息が台無しにしたんだ!! その言葉はそっくり返してやる!!」
「リュカがっ!! お前達の子が!! お前達が!!っ あの子の幸せを奪ったのよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」

 再びヴィクトーがオスカーの顔を殴り、ここからは女性陣も参戦。ミエラが両手を伸ばし、スザンヌの髪を力任せに引っ張ります。
 そして、

「思い返せばそうだった!! お前達が次女を推し始めた時からリュカがおかしくなったのだぞ!! その原因はニナにある!! やはりお前達の責任だろうがああっ!!」
「あの女がウチに来なければリュカは家を出る話もなかったはずよ!! なにもかも台無しにしたのはぁあっ!! お前達でしょうぉおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 反撃としてオスカーがヴィクトーの顔面を殴り、スザンヌがミエラの髪を容赦なく引っ張ります。
 それによって男性陣の顔は鼻血塗れになって、女性陣の足元には大量の毛髪が散乱。自信があったマスクも手入れを欠かさなかった自慢の髪も、取り返しのつかない状態になってしまっています。

「謝れ!! 謝れ!! 責任をとれぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇ!!」
「責任を取るのはお前だ!! お前の方だぁぁあああああああああああ!!」

「アンタ達と関わるようになってから散々よ!! 一体どうしてくれるのよ!!」
「政略結婚をさせないかと声をかけてきたのは、アンタの方でしょ!! いい加減にしなさいよこのブス女!!」

 顎から垂れた血が絨毯へと大量に落ち、千切れた髪もどっさり。部屋はすっかり地獄のような状況になっていました、が、4人は止まりません。

「貴様がっ!! 貴様らがぁっ!! 貴様らさえいなければぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁああああ!!」
「ニナにぃっ!! ニナに謝れ!! その命で償え!! 償ぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇええぇぇぇえ!!」

「あの頃の毎日を返しなさいよ!! 返せっ!! 戻せっ!! もどせぇぇえええええええええええええええぇえええええええええ!!」
「それはこっちの台詞よぉぉおおおおお!! 許さなぃ!! ぁあああああああああああぁぁぁぁあっ!! ゆるさなぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 引き続き叫びながら殴り合って、目の前にある髪を引っ張り合う。そんな醜い争いはその後、お互いの体力が尽きるまで行われ――

「………………」
「………………」
「………………」
「………………」

 ――やがて使用人達によって、治療施設へと運び込まれた4人。そのうち2人は顔面がボコボコに変形し、残る2人は頭髪の一部分が殆どなくなってしまっていました。


 この騒動の結末は、両者共に負け。


 どちらもが身体も心もボロボロとなり、その影響、なのかもしれません。以後4人の笑い顔であり笑い声を聞いた者は、一人もいないそうです。


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