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エピローグ 二人のその後 俯瞰視点
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「「「「「ご結婚おめでとうございます!」」」」」
「「結婚おめでとう。アン、エリオッツ」」
国内のとある場所に建つ、由緒正しき教会。そこでは今日、二人の結婚式が執り行われていました。
ケヴィックやイブライム達の出来事を経て、新たな一歩を進み始めたアンとエリオッツ。
二人はその後多くの時間を共にし、いくつもの発見をしました。
――一緒に過ごしたことによる、これまで知らなかった良さの発見。
――一緒に過ごし様々な面を沢山見たことによる、好きの再発見。
――一緒に過ごしいくつもの想いを受け、その人の姿を見つめたことによる、特別な感情の発見。
そういった出来事が更に二人の心の距離を縮め、今から八か月前に婚約。ウエディングドレスの準備などを行い、ついにその時が訪れていたのです。
「……お兄様。あの時二つの道を教えてくれて、ありがとうございます」
祭壇の前で、誓いのキスを交わす直前。純白のドレスに身を包んだアン――フェリレーザ家の現当主は、静かに目を瞑りました。
「あのまま生きていたら、わたしはこの幸せを感じることができなかった。……お兄様と過ごし、好きになって、お兄様から旦那様になる。幸せな時間、変化を経験できませんでした。本当に、ありがとうございます」
「こちらこそだよ。アンに出会えなかったら、僕の人生はあの日終わっていた。……僕に未来を与えてくれて、本当にありがとうございます」
エリオッツ――『増益請負人』の異名を持つようになった、サンテール商会の新会頭。彼は潤んだ瞳に微笑みを返し、ゆっくりと距離を詰めました。
「……アン、僕の愛する妹で、妻となってくれる人。これから新たな一歩を踏み出し、一緒に歩んでいきましょう」
「……エリオッツ、わたしの大好きなお兄様で、旦那様。はい。これからも一緒に歩んでいきましょう」
手を取り合い、微笑み合う。二人にとって『お馴染み』の行動をして、夫婦の証を交わす。
こうしてアンとエリオッツは幾種類もの幸せに包まれ、人生最大の幸福を仲良く実感したのでした――。
※時期は未定ではありますが後日、エピローグに至るまでのふたりの軌跡を番外編として投稿させていただきます。
「「結婚おめでとう。アン、エリオッツ」」
国内のとある場所に建つ、由緒正しき教会。そこでは今日、二人の結婚式が執り行われていました。
ケヴィックやイブライム達の出来事を経て、新たな一歩を進み始めたアンとエリオッツ。
二人はその後多くの時間を共にし、いくつもの発見をしました。
――一緒に過ごしたことによる、これまで知らなかった良さの発見。
――一緒に過ごし様々な面を沢山見たことによる、好きの再発見。
――一緒に過ごしいくつもの想いを受け、その人の姿を見つめたことによる、特別な感情の発見。
そういった出来事が更に二人の心の距離を縮め、今から八か月前に婚約。ウエディングドレスの準備などを行い、ついにその時が訪れていたのです。
「……お兄様。あの時二つの道を教えてくれて、ありがとうございます」
祭壇の前で、誓いのキスを交わす直前。純白のドレスに身を包んだアン――フェリレーザ家の現当主は、静かに目を瞑りました。
「あのまま生きていたら、わたしはこの幸せを感じることができなかった。……お兄様と過ごし、好きになって、お兄様から旦那様になる。幸せな時間、変化を経験できませんでした。本当に、ありがとうございます」
「こちらこそだよ。アンに出会えなかったら、僕の人生はあの日終わっていた。……僕に未来を与えてくれて、本当にありがとうございます」
エリオッツ――『増益請負人』の異名を持つようになった、サンテール商会の新会頭。彼は潤んだ瞳に微笑みを返し、ゆっくりと距離を詰めました。
「……アン、僕の愛する妹で、妻となってくれる人。これから新たな一歩を踏み出し、一緒に歩んでいきましょう」
「……エリオッツ、わたしの大好きなお兄様で、旦那様。はい。これからも一緒に歩んでいきましょう」
手を取り合い、微笑み合う。二人にとって『お馴染み』の行動をして、夫婦の証を交わす。
こうしてアンとエリオッツは幾種類もの幸せに包まれ、人生最大の幸福を仲良く実感したのでした――。
※時期は未定ではありますが後日、エピローグに至るまでのふたりの軌跡を番外編として投稿させていただきます。
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