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第20話 思い出したロマニと、思い出していたアニー。そうして2人は 俯瞰視点
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「分かった!? またアンタのせいなのよ!! あの時も今もっ、アンタの不手際で滅茶苦茶になってるのよ!!」
三十分にも及ぶ説明により、ロマニの記憶が蘇った直後でした。再びアニーはロマニの胸倉を掴み、目尻が裂けんばかりに叫びました。
かつて名門侯爵家の長女だった、アニー。順風満帆が確定してた人生は、同じく一変。追放によって全てを失い、以後は白眼視を浴び続け、彼同様にひっそりとその生涯に幕を下ろしていました。
そのためアニーは絶望の原因を作ったロマニを許せず、現世でその責任を取らそうとしていたのでした。
「アンタを目にして思い出してっ、前世の分をここで取り戻そうとしていたのに!! 不愉快なのを我慢してっ、アンタと関係を持ち続けてあげたのにっ!! 最後の最後でまたこれ!! どうしてくれるのよ!!」
「なっ、何を言うんだ!! それはお前の責任でもあるだろうが!! あの頃はお前が指輪をねだらなければ特定されていなかった!! 今だってそもそもっ、お前が俺に近づいて来なければっ!! 理不尽な復讐を企まなければっ、こんなことにはなってないだろう!! どっちもお前の責任だ!! むしろ被害者は俺だ!!」
あの時デートに行かなければ公爵だったのに! あの夜会で頷かなければ、俺はお前を諦めていたのに!
2人は、どっちもどっち。そっくりな性質を持つ人間です。そのため『お前が悪い』を繰り返し、ヒートアップ。2人の自己中心的な怒りはやがて爆発し、
「うるさい!! 黙りなさいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぐっ、やりやがったなぁ……!! うるさいのはお前だ!! だまれぇぇぇぇぇ!!」
アニーが平手打ちを行い、ロマニも平手打ちをお返し。暴力の応酬が始まりました。
「っっ、よくも……!! 元凶なんだから大人しく殴られていなさいよぉぉぉぉ!!」
「ぐあっ! 元凶はっ、お前だろうがぁぁぁ!! お前がっ、大人しくなぐられいろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
お返しのお返しが飛んできて。そうすると、お返しのお返しのお返しが飛んできて。
どちらも退くつもりはなく、それは続きます。
「このぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「うぉおおおおおおおお!!」
「ああああああああああ!!」
「ぁぁああああああああ!!」
とにかく、叩く。叩く。叩く。2人はひたすらに、目の前にある忌々しい顔へと攻撃を続け――
「………………」
「………………」
やがて静かになり、治安局員が様子を確認してみると……。鉄格子の中では、顔が腫れ上がった2人が仲良く失神していました。
こうしてロマニとアニーによる大騒ぎは終わり、ですが、2人の絶望は終わりません。
これは、新たな人生の始まりを告げるための終わり。
その後彼らには、よく覚えのある毎日が待っていて――
「くそぉ……。くそぉ……! どうして、こんなことに……。うぁぁぁぁぁぁ……!!」
2人の牢屋からは毎日、こういった声が聞こえてきているそうです。
三十分にも及ぶ説明により、ロマニの記憶が蘇った直後でした。再びアニーはロマニの胸倉を掴み、目尻が裂けんばかりに叫びました。
かつて名門侯爵家の長女だった、アニー。順風満帆が確定してた人生は、同じく一変。追放によって全てを失い、以後は白眼視を浴び続け、彼同様にひっそりとその生涯に幕を下ろしていました。
そのためアニーは絶望の原因を作ったロマニを許せず、現世でその責任を取らそうとしていたのでした。
「アンタを目にして思い出してっ、前世の分をここで取り戻そうとしていたのに!! 不愉快なのを我慢してっ、アンタと関係を持ち続けてあげたのにっ!! 最後の最後でまたこれ!! どうしてくれるのよ!!」
「なっ、何を言うんだ!! それはお前の責任でもあるだろうが!! あの頃はお前が指輪をねだらなければ特定されていなかった!! 今だってそもそもっ、お前が俺に近づいて来なければっ!! 理不尽な復讐を企まなければっ、こんなことにはなってないだろう!! どっちもお前の責任だ!! むしろ被害者は俺だ!!」
あの時デートに行かなければ公爵だったのに! あの夜会で頷かなければ、俺はお前を諦めていたのに!
2人は、どっちもどっち。そっくりな性質を持つ人間です。そのため『お前が悪い』を繰り返し、ヒートアップ。2人の自己中心的な怒りはやがて爆発し、
「うるさい!! 黙りなさいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぐっ、やりやがったなぁ……!! うるさいのはお前だ!! だまれぇぇぇぇぇ!!」
アニーが平手打ちを行い、ロマニも平手打ちをお返し。暴力の応酬が始まりました。
「っっ、よくも……!! 元凶なんだから大人しく殴られていなさいよぉぉぉぉ!!」
「ぐあっ! 元凶はっ、お前だろうがぁぁぁ!! お前がっ、大人しくなぐられいろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
お返しのお返しが飛んできて。そうすると、お返しのお返しのお返しが飛んできて。
どちらも退くつもりはなく、それは続きます。
「このぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「うぉおおおおおおおお!!」
「ああああああああああ!!」
「ぁぁああああああああ!!」
とにかく、叩く。叩く。叩く。2人はひたすらに、目の前にある忌々しい顔へと攻撃を続け――
「………………」
「………………」
やがて静かになり、治安局員が様子を確認してみると……。鉄格子の中では、顔が腫れ上がった2人が仲良く失神していました。
こうしてロマニとアニーによる大騒ぎは終わり、ですが、2人の絶望は終わりません。
これは、新たな人生の始まりを告げるための終わり。
その後彼らには、よく覚えのある毎日が待っていて――
「くそぉ……。くそぉ……! どうして、こんなことに……。うぁぁぁぁぁぁ……!!」
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