あこがれチェンジ!

柚木ゆず

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5 あたしが決めます! (3)

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《厳しい言い方をして、ごめんね。とっても難しい判断だけど、アタシ達はこういう事を決めていかないといけないんだよ》
「………………」
《紅葉。どうする?》
「………………」

 まだ、お返事をできない。

《紅葉。どう、するの?》
「………………。私は……」
《わたし、は?》
「私は……。私は…………っ。私は――」
「やりますっ。あたしたちがヨツバちゃんさんをもとに戻します!」

 声を出したのは、あたし。スマートホンにぐいっと顔を近づけて、おっきな声でお返事をした。

「陽上さん……っ!?」《陽上ちゃんっ!?》
「ずっと頑張ってきたコトがダメになっちゃうのは悲しいし、モミジちゃんがずっと悩むのも悲しいっ。だから心の中に入って、助けますっ!」

 挑戦して上手くいけば、みんな幸せ。
 諦めたらモミジちゃんはずっとモヤモヤで、ヨツバちゃんさんもミドリちゃんさんもモヤモヤ。
 だったら選ぶのは、みんなが幸せになれる方だよっ!

「陽上さん……。これは、私が答えるべき問題で……」
「今のあたしはパートナーで、たんとーしゃ担当者の1人だもんっ。あたしが答える問題でもあるよっ!」
「そ、そうなのだけれど……。貴方にまで様々な負担を――」
《……紅葉、アタシ達の負けだよ。陽上ちゃんの意見を採用しよう》

 スマートホンから、ナツキちゃんさんの笑い声がした。

《パートナーをお願いしたのはアタシ達で、パートナーにも決める権利がある。そうでしょ?》
「え、ええ、そうね……。けれど、これは……」
《紅葉。こういうタイプの人はこういう時、決めたら何があっても変えない。だよね、陽上ちゃん?》
「ん、ですっ!」

 ヨツバちゃんさんたちのためにも、モミジちゃんのためにも、やりますっ!
 やって、一番いー結果にします!

《あはは、とってもいいお返事でした。ね、言った通りでしょ?》
「…………そのようね。今日の放課後、私達で挑戦するわ」
《うん、頼んだよ。……陽上ちゃん。その子と、妹を任せました》
「はいっ! あたし頑張りますっっ!」

 さっきよりもおっきい声でお返事をして、お電話はお仕舞い。
 それからあたしたちは6時間目の授業が終わるのを待って、もう1回6年生の教室にお邪魔。急いでヨツバちゃんさんにお声をかけて、心の中に入ったのでした。
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