貴方様は本当に、あの日わたしを助けてくれた王子様なのですか?

 わたしには10年間待ち続けている、大好きな人がいました。

 その人はかつて隣国で迷子になってしまった際に、優しく助けてくれた男の子。わたしはその時に恋をして、幸せなことにその子もわたしを好きになってくれたんです。
 でもその人は何かしらの理由で今は名前と身分を明かせず、その上20歳になるまでは――10年経つまでは、もう会えないと仰られました。
 ですのでわたし達は10年後の再会を約束し、今日がその日。迎えに来てくれる王子様をドキドキしながら待っていると、なんと筆頭公爵家の現当主様であるアルチュール様がいらっしゃったのです。

 この方が、あの日の王子様。やっとお会いできて、嬉しい。
 ……そう、思っていたのですが――。しばらくすると、違和感を覚えるようになりました……。

 アルチュール様。貴方様は本当に、あの日わたしを助けてくれた王子様なのですか?
24h.ポイント 7pt
83
小説 34,656 位 / 190,814件 恋愛 15,426 位 / 57,554件

あなたにおすすめの小説

悪役?令嬢の矜持

柚木ゆず
恋愛
「サラ・ローティシアル! 君との婚約は、この瞬間を以て破棄する!!」  ローティシアル伯爵令嬢のサラ。彼女の婚約者であるヘクターは心変わりをしており、今の想い人と交際を行うためサラの罪を捏造していました。  その結果サラは大勢の前で婚約破棄を宣言され、周囲からは白目で見られるようになってしまうのですが――。 「お待ちくださいまし。わたくし、今のお話は納得できませんわ」  そんな時でした。  サフェタンエス侯爵令嬢、アリーヌ。いつも激しくサラをライバル視をしていたはずの人が、二人の間に割って入ったのでした。

死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く

miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。 ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。 断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。 ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。 更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。 平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。 しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。 それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね? だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう? ※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。 ※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……) ※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。

婚約破棄ですか? でしたら貴方様には、その代償を払っていただきますね

柚木ゆず
ファンタジー
 婚約者であるクリストフ様は、私の罪を捏造して婚約破棄を宣言されました。  ……クリストフ様。貴方様は気付いていないと思いますが、そちらは契約違反となります。ですのでこれから、その代償を受けていただきますね。

婚約解消を望まれています

杉本凪咲
恋愛
夢にまで見た婚約はただの幻想でした。 彼は私に厳しい態度を取り、自分がやるはずの公務を私に押し付けました。 しかし私は彼に好かれようと努力しました。 私の秘密を暴き、妬む人間がいるとも知らずに……

無実の罪で聖女を追放した、王太子と国民のその後

柚木ゆず
恋愛
 ※6月30日本編完結いたしました。7月1日より番外編を投稿させていただきます。  聖女の祈りによって1000年以上豊作が続き、豊穣の国と呼ばれているザネラスエアル。そんなザネラスエアルは突如不作に襲われ、王太子グスターヴや国民たちは現聖女ビアンカが祈りを怠けたせいだと憤慨します。  ビアンカは否定したものの訴えが聞き入れられることはなく、聖女の資格剥奪と国外への追放が決定。彼女はまるで見世物のように大勢の前で連行され、国民から沢山の暴言と石をぶつけられながら、隣国に追放されてしまいました。  そうしてその後ザネラスエアルでは新たな聖女が誕生し、グスターヴや国民たちは『これで豊作が戻ってくる!』と喜んでいました。  ですが、これからやって来るのはそういったものではなく――

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

【読み切り版】婚約破棄された先で助けたお爺さんが、実はエルフの国の王子様で死ぬほど溺愛される

卯月 三日
恋愛
公爵家に生まれたアンフェリカは、政略結婚で王太子との婚約者となる。しかし、アンフェリカの持っているスキルは、「種(たね)の保護」という訳の分からないものだった。 それに不満を持っていた王太子は、彼女に婚約破棄を告げる。 王太子に捨てられた主人公は、辺境に飛ばされ、傷心のまま一人街をさまよっていた。そこで出会ったのは、一人の老人。 老人を励ました主人公だったが、実はその老人は人間の世界にやってきたエルフの国の王子だった。彼は、彼女の心の美しさに感動し恋に落ちる。 そして、エルフの国に二人で向かったのだが、彼女の持つスキルの真の力に気付き、エルフの国が救われることになる物語。 読み切り作品です。 いくつかあげている中から、反応のよかったものを連載します! どうか、感想、評価をよろしくお願いします!

王太子マクソンスの選択ミス

柚木ゆず
ファンタジー
「殿下ぁ。大好きですぅ」 「俺も大好きだよ、リビア」((なんてな))  この女は男ウケしそうなキャラを演じていて、俺を籠絡し王太子妃になろうとしている――。狡猾な王太子マクソンスは、すり寄って来た公爵令嬢リビアの狙いを見抜いていました。  しかしながら――  現婚約者である聖女ルシーは、心が清らかな為つまらない。  対してリビアは打算塗れで、こんな女を傍に置いておけば毎日が面白くなる。  操ろうとしている者を手のひらで転がすほど、愉快なことはない。  ――そんな理由で彼は引っかかっているフリをして、ルシーとの縁を切りリビアを婚約者にしようとします。  ですが――。その選択によって彼は、大きな誤算を招いてしまうこととなるのでした。

処理中です...