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第14話 最高の日が最悪の日になってしまう、3人 俯瞰視点(4)
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「わ、わたしが……。商人から、買った……? い、嫌だわ……っ。ほほほほほほ。な、なにをおかしなことを言っているのかしら。ね、ねえソフィ―、シリルさん」
「そ、そっ、だよっ、おかしいよっ。あたしも、意味が分かりません。裏世界の商人? なにそれ?」
「そ、そんな輩が存在しているのかっ? おれは――オレたちは今、初めて知ったぞっ。馬鹿げている。知らない者と接触できるはずがないじゃないかっ!」
はっはっはっと、笑みを浮かべる3人。しかしながらその目は激しく泳いでおり、額には玉の汗が浮かんでいました。
「それは何かの勘違いだわっ。確かに昨夜は、外出していました。外出したけれど、そんな人と会ってはいないしそんな物を買ってもいないわっ。ひどい見間違いよっ!」
「ふむ、我々5人の見間違いか。……貴様らは全員、一切身に覚えがない。悪事を企んではおらず、そんな行動も起こしていない。そう言うのだな?」
「もっ、もちろんよ!! 商人も何もかも、あり得ない話だわっ!!」
「あたしは、お姉ちゃんが大好きなんだもんっ! 大好きな人にそんな酷いコトをするはずないでしょっ!」
「そしてオレは、彼女の婚約者であり将来の夫だ! オレたちの関係は『政略』が始まりではあるが、そうなった以上は誰よりも愛すると決めている! そんな真似をするものか!!」
「…………そうか、否定するのだな。であれば――。もしも全てが事実だった場合は、否定によって罪が上乗せされることになるのだが。それでも、いいんだな?」
「「「もちろん!!」」」
言下、3人の声が揃いました。
「当然です!」
「当たり前だわ!」
「オレらは、何もやっていないのだからな! 確認するまでもない!!」
「………………その言葉、確かに聞き受けた。では――。まことか否かを、今から確かめるとしよう」
「…………え?」
「いまから、たしか、める……。ですって……?」
「ど、どうやって……? 確かめるという――………………」
シリル、だけではありません。ソフィ―、アンナも、ようやく気が付きました。思い出しました。
今日はこのあとピクニックを行い、その際にランチに毒薬を混ぜ込む予定でした。そのため邸内には現在、毒薬があるということを――。
「そ、そっ、だよっ、おかしいよっ。あたしも、意味が分かりません。裏世界の商人? なにそれ?」
「そ、そんな輩が存在しているのかっ? おれは――オレたちは今、初めて知ったぞっ。馬鹿げている。知らない者と接触できるはずがないじゃないかっ!」
はっはっはっと、笑みを浮かべる3人。しかしながらその目は激しく泳いでおり、額には玉の汗が浮かんでいました。
「それは何かの勘違いだわっ。確かに昨夜は、外出していました。外出したけれど、そんな人と会ってはいないしそんな物を買ってもいないわっ。ひどい見間違いよっ!」
「ふむ、我々5人の見間違いか。……貴様らは全員、一切身に覚えがない。悪事を企んではおらず、そんな行動も起こしていない。そう言うのだな?」
「もっ、もちろんよ!! 商人も何もかも、あり得ない話だわっ!!」
「あたしは、お姉ちゃんが大好きなんだもんっ! 大好きな人にそんな酷いコトをするはずないでしょっ!」
「そしてオレは、彼女の婚約者であり将来の夫だ! オレたちの関係は『政略』が始まりではあるが、そうなった以上は誰よりも愛すると決めている! そんな真似をするものか!!」
「…………そうか、否定するのだな。であれば――。もしも全てが事実だった場合は、否定によって罪が上乗せされることになるのだが。それでも、いいんだな?」
「「「もちろん!!」」」
言下、3人の声が揃いました。
「当然です!」
「当たり前だわ!」
「オレらは、何もやっていないのだからな! 確認するまでもない!!」
「………………その言葉、確かに聞き受けた。では――。まことか否かを、今から確かめるとしよう」
「…………え?」
「いまから、たしか、める……。ですって……?」
「ど、どうやって……? 確かめるという――………………」
シリル、だけではありません。ソフィ―、アンナも、ようやく気が付きました。思い出しました。
今日はこのあとピクニックを行い、その際にランチに毒薬を混ぜ込む予定でした。そのため邸内には現在、毒薬があるということを――。
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(他「エブリスタ」様に投稿)
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