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第12話 その後 ベルナール視点(2)
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「だ、誰だ……? 貴様は……?」
「わたくしは神。そなた達がレリアール神と呼んでいる存在ですよ」
「「「「「レリアール神!? なぜレリアール様がここに!?」」」」」
俺達共通の疑問は、すぐに解消されることとなった。
レリアール神は、ずっと――聖女ファニーの殺害を見ていた……。
見ていたから、激しくお怒りになられて……。
罰を下す前に、追加の仕置きを考えた。
まずは俺達しか存在しない世界を創り、そこに俺達と冥界から借りた『死人』を運んで襲わせ絶望させていた……。
そうして罰を下す前の『前座』が終わり……。罰の内容を伝えるために、現れていたのだった……。
「「「「「お、お許しください……。ど、どうか……。おゆるしを――」」」」」
「そなた達はそれまでも濁った行動を取り続けてきましたが、あの時に人としての一線を超えてしまいました。温情、慈悲は与えませんよ」
そ、んな……。
「これからそなた達は冥界へと向かい、冥界で苦痛を味わい、犯した罪を清算してもらいます」
「「「「「清算……」」」」」
「そなた達が王城で聞き、口にした言葉を思い出させてあげましょうか」
『一線を越えた者、には…………ばつ、が…………相応の、みらい、が…………まっております……。はげしく……後悔する、ことに、なり、ます――』
『ふん、聖女の言葉なら臆するとでも思ったのか? 残念だがそんな法螺は効かない』
『そもそも俺はこの国を築いた初代国王の子孫であり、王太子殿下――次期国王。この国にとって神同然の存在だ。神に天罰が下るはずがないだろう?』
『ベルナールの言う通りだ。我々は裁かれる側ではない、裁く側なのだよ』
『貴女も特別な人間だけれど、わたくし達はそれ以上の特別な存在なのよ』
『そもそもですよ。僕は、老衰でこの世を去った殺人犯を知っています』
『ボクも知ってる。最後の一線を越えたのに、ピンピンしてるよね。あれれ~? おかしいよ~?』
『父上やライナ達の言う通りだ。……咄嗟に出た言葉がソレとはな。底辺令嬢らしい頭の回転だ』
あの時のやり取りが、頭の中に浮かび上がった……。
「あちらの世で罪を犯した人間は等しく、死後は冥界で清算をしているのですよ。ちなにみライナが言及していた男は、マグマの中で1000年苦しみ続けるという罰を与えられている最中ですよ」
「「「「「………………」」」」」
「そなた達は殺人に加え色々と汚い行動を取り、一切相殺できぬまま冥界へと向かうことになります。その男以上の罰が待っていることでしょうね」
それ、以上……!? マグマ1000年でも恐ろしいのに、それ以上……!?
「レリアール神様っ、どうかご慈悲を! せめてっ、王太子としての活動での打消しをお願い致します!!」
「わたしはっ、王! 王として民を導いた分の相殺をお願い致します!!」
「わたくしは王妃としての貢献で打ち消してくださいませ!!」
「僕も努力した点は沢山あります!」
「ボクも!! だからお願いします!!」
「今し方、『ない』と言ったばかりでしょう? 無駄ですよ」
「「「「「……………………」」」」」
「以上でお話しは終わりです。それでは冥界、判決を出す冥王のもとへと飛ばしましょう」
嫌だ! 嫌だ!! 嫌だ!!
何とかなるかもしれない!!
そんな思いで、俺達は光に背を向けて走り出し――
「「「「「うあああああああああああああああ!!」」」」」
――走り出したけど、無駄だった……。
足もとに、あの! 黒と白の魔法陣が現れて、俺達の身体は沈んでいって――
「わたくしは神。そなた達がレリアール神と呼んでいる存在ですよ」
「「「「「レリアール神!? なぜレリアール様がここに!?」」」」」
俺達共通の疑問は、すぐに解消されることとなった。
レリアール神は、ずっと――聖女ファニーの殺害を見ていた……。
見ていたから、激しくお怒りになられて……。
罰を下す前に、追加の仕置きを考えた。
まずは俺達しか存在しない世界を創り、そこに俺達と冥界から借りた『死人』を運んで襲わせ絶望させていた……。
そうして罰を下す前の『前座』が終わり……。罰の内容を伝えるために、現れていたのだった……。
「「「「「お、お許しください……。ど、どうか……。おゆるしを――」」」」」
「そなた達はそれまでも濁った行動を取り続けてきましたが、あの時に人としての一線を超えてしまいました。温情、慈悲は与えませんよ」
そ、んな……。
「これからそなた達は冥界へと向かい、冥界で苦痛を味わい、犯した罪を清算してもらいます」
「「「「「清算……」」」」」
「そなた達が王城で聞き、口にした言葉を思い出させてあげましょうか」
『一線を越えた者、には…………ばつ、が…………相応の、みらい、が…………まっております……。はげしく……後悔する、ことに、なり、ます――』
『ふん、聖女の言葉なら臆するとでも思ったのか? 残念だがそんな法螺は効かない』
『そもそも俺はこの国を築いた初代国王の子孫であり、王太子殿下――次期国王。この国にとって神同然の存在だ。神に天罰が下るはずがないだろう?』
『ベルナールの言う通りだ。我々は裁かれる側ではない、裁く側なのだよ』
『貴女も特別な人間だけれど、わたくし達はそれ以上の特別な存在なのよ』
『そもそもですよ。僕は、老衰でこの世を去った殺人犯を知っています』
『ボクも知ってる。最後の一線を越えたのに、ピンピンしてるよね。あれれ~? おかしいよ~?』
『父上やライナ達の言う通りだ。……咄嗟に出た言葉がソレとはな。底辺令嬢らしい頭の回転だ』
あの時のやり取りが、頭の中に浮かび上がった……。
「あちらの世で罪を犯した人間は等しく、死後は冥界で清算をしているのですよ。ちなにみライナが言及していた男は、マグマの中で1000年苦しみ続けるという罰を与えられている最中ですよ」
「「「「「………………」」」」」
「そなた達は殺人に加え色々と汚い行動を取り、一切相殺できぬまま冥界へと向かうことになります。その男以上の罰が待っていることでしょうね」
それ、以上……!? マグマ1000年でも恐ろしいのに、それ以上……!?
「レリアール神様っ、どうかご慈悲を! せめてっ、王太子としての活動での打消しをお願い致します!!」
「わたしはっ、王! 王として民を導いた分の相殺をお願い致します!!」
「わたくしは王妃としての貢献で打ち消してくださいませ!!」
「僕も努力した点は沢山あります!」
「ボクも!! だからお願いします!!」
「今し方、『ない』と言ったばかりでしょう? 無駄ですよ」
「「「「「……………………」」」」」
「以上でお話しは終わりです。それでは冥界、判決を出す冥王のもとへと飛ばしましょう」
嫌だ! 嫌だ!! 嫌だ!!
何とかなるかもしれない!!
そんな思いで、俺達は光に背を向けて走り出し――
「「「「「うあああああああああああああああ!!」」」」」
――走り出したけど、無駄だった……。
足もとに、あの! 黒と白の魔法陣が現れて、俺達の身体は沈んでいって――
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