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第4話 再会と恩返し リリアーヌ視点(4)
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「いけない、お伝えし忘れていました。こちらの部屋ができたのは、3年前なのですよ」
困惑していると、更に困惑する言葉が聞こえてきました。
3年、前……?
「どうして、そんな前に完成しているのですか……?」
「命の恩人を、いつでも最高の形で歓迎できるように。ラティーラにはそんな理由で、命の恩人用のお部屋を設ける伝統があるのですよ」
そういえば。この国の言語を勉強している時に、そんな話を聞いたことがあるような記憶があります。
そういった理由で帰国後すぐに準備が始まり、およそ3年後に完成していたのですね。
「もちろん毎日掃除およびメンテナンスを行っておりまして、常に最高の状態を保っておりますよ。リリアーヌ様さえよろしければ、こちらをお使いください」
「あ、ありがとうございます。大事に使わせていただきます」
お気に召さない点があれば何でも仰ってください――。そんなお言葉をいただきましたが、このお部屋はわざわざイメージして作ってくださったものです。
そのお気持ちを、ありがたく頂戴することにしました。
「こちらこそ、受け入れてくださいありがとうございます。では折角ですし、パーティーの準備が整うまでお寛ぎください」
「は、はい。そうさせていただきます」
わたしにはいつも、新しい『物』を使用する際に行っていることがあります。
「リリアーヌと申します。よろしくお願い致します」
「リリアーヌと申します。よろしくお願い致します」
これから使わせていただくことへの感謝――。
壁紙も含めひとつひとつに順番にご挨拶をさせていただき、そちらが終わって、ベッドに腰を腰をかけて一息つき終えた頃でした。レヴィテット様が迎えに来てくださりました。
「気に入っていただけているようで、何よりです。歓迎パーティーの準備ができましたので、ご案内させていただきます」
「はい。お願い致します」
先程紹介していただいた廊下を通って、先程目にした場所へと足を踏み入れます。でもその場所は、いつの間にか変化していて――
《リリアーヌ様を歓迎します》
――食堂にはそんな垂れ幕がかかっていて、食卓には美味しそうなお食事が沢山並んでいました。
「これからは、ここが貴方様の居場所です。今後は5人で歩いてゆきましょう」
「ゆきましょう!」
「ゆきましょう」
「ゆきましょう」
レヴィテット様。マノン様。アンリ様。ポリーヌ様。
皆様、笑顔で両手を差しでくださって――
「ありがとうございます……! ありがとうございます……! ありがとうございます……! ありがとうございます……!」
――わたしは涙ぐみながら、全員の手を握らせていただきました。
「皆様、これからよろしくお願い致します……!!」
聖女の力を失って。罪人扱いをされて。家族に縁を切られて。国外追放が決まって。
わたしの人生は、瞬く間に一変しました。
これからは、孤独な人生を歩んでいくのだと覚悟していました。
でも。それは、大間違いでした。
レヴィテット様を始めとした、温かな方に迎えていただけて――
一変が一変。
優しさや温もりに満ちた、新たな人生が始まることになったのでした。
困惑していると、更に困惑する言葉が聞こえてきました。
3年、前……?
「どうして、そんな前に完成しているのですか……?」
「命の恩人を、いつでも最高の形で歓迎できるように。ラティーラにはそんな理由で、命の恩人用のお部屋を設ける伝統があるのですよ」
そういえば。この国の言語を勉強している時に、そんな話を聞いたことがあるような記憶があります。
そういった理由で帰国後すぐに準備が始まり、およそ3年後に完成していたのですね。
「もちろん毎日掃除およびメンテナンスを行っておりまして、常に最高の状態を保っておりますよ。リリアーヌ様さえよろしければ、こちらをお使いください」
「あ、ありがとうございます。大事に使わせていただきます」
お気に召さない点があれば何でも仰ってください――。そんなお言葉をいただきましたが、このお部屋はわざわざイメージして作ってくださったものです。
そのお気持ちを、ありがたく頂戴することにしました。
「こちらこそ、受け入れてくださいありがとうございます。では折角ですし、パーティーの準備が整うまでお寛ぎください」
「は、はい。そうさせていただきます」
わたしにはいつも、新しい『物』を使用する際に行っていることがあります。
「リリアーヌと申します。よろしくお願い致します」
「リリアーヌと申します。よろしくお願い致します」
これから使わせていただくことへの感謝――。
壁紙も含めひとつひとつに順番にご挨拶をさせていただき、そちらが終わって、ベッドに腰を腰をかけて一息つき終えた頃でした。レヴィテット様が迎えに来てくださりました。
「気に入っていただけているようで、何よりです。歓迎パーティーの準備ができましたので、ご案内させていただきます」
「はい。お願い致します」
先程紹介していただいた廊下を通って、先程目にした場所へと足を踏み入れます。でもその場所は、いつの間にか変化していて――
《リリアーヌ様を歓迎します》
――食堂にはそんな垂れ幕がかかっていて、食卓には美味しそうなお食事が沢山並んでいました。
「これからは、ここが貴方様の居場所です。今後は5人で歩いてゆきましょう」
「ゆきましょう!」
「ゆきましょう」
「ゆきましょう」
レヴィテット様。マノン様。アンリ様。ポリーヌ様。
皆様、笑顔で両手を差しでくださって――
「ありがとうございます……! ありがとうございます……! ありがとうございます……! ありがとうございます……!」
――わたしは涙ぐみながら、全員の手を握らせていただきました。
「皆様、これからよろしくお願い致します……!!」
聖女の力を失って。罪人扱いをされて。家族に縁を切られて。国外追放が決まって。
わたしの人生は、瞬く間に一変しました。
これからは、孤独な人生を歩んでいくのだと覚悟していました。
でも。それは、大間違いでした。
レヴィテット様を始めとした、温かな方に迎えていただけて――
一変が一変。
優しさや温もりに満ちた、新たな人生が始まることになったのでした。
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