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第12話 5年後のリリアン リリアン視点(2)
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「マルク様? どうされましたの?」
「……………………」
上品に彼のもとまで歩いて行き、品よく首を傾ける。
ノックなしで乱暴に扉を開けて、邸内では珍しく大柄の男性2人を従えていらっしゃる。何があったのかしら?
「もしや、不審者ですか? 侵入者が居て、護りに来てくださったのですか?」
お返事がないので推理をしてみたら、これしか浮かばなかった。
でもここは、侯爵家の中でもトップの地位と財を持つリッカズス侯爵邸。守りは盤石で、敷地に無断で立ち入ることすら困難ですわよね……?
((? ?? どうされたのかしら……?))
「……………………。そうだな。頃合いか」
心の中でも首を傾げていたら、ようやくマルク様が反応してくださった。
けれど、やっぱり理解ができない。わたくしの全身を見回した後、頃合いと仰る。その意図が、分かりませんわ。
「あの、マルク様。申し訳ございません。わたくしが現況を把握できるようにしていただきた――」
「書類の作成などがあり、オレは忙しいんだ。従者、代わりに説明を行っておけ」
なっ!? あのマルク様が……。いつもわたくしに甘い視線を送ってくださる、マルク様が……。
冷たい目ををされて、吐き捨てるようにして去ってしまわれた。
ど、どうなっているんですの……!?
「え……? え…………? な、なに……? なにが、起きていますの……?」
「「……………………」」
目の前にいる、大男2人。彼らに問いかけても返事はなく、ますます頭がこんがらがってしまう。
「わたくしを目にするたび身体に触れ、わたくしを楽しんでいたのに……。夢中、だったのに……」
触れることはなく……。それどころか、あんなにも淡白なリアクションをなさるだなんて。
「分からない。分からない。分からないっ」
だから更に頭の中がごちゃごちゃになって、おもわずよろけていると――っっ! リュックさんがやって来た!
なので大急ぎで彼に理由を尋ね、そうすると――………………。おもわず呼吸を忘れてしまうほどの返事が、やって来たのだった…………。
「残念ながらマルク様は、貴方に飽きられました。そのため本日付で夫婦関係は解消となり、本日中にこのお屋敷から去っていただきます」
「……………………」
上品に彼のもとまで歩いて行き、品よく首を傾ける。
ノックなしで乱暴に扉を開けて、邸内では珍しく大柄の男性2人を従えていらっしゃる。何があったのかしら?
「もしや、不審者ですか? 侵入者が居て、護りに来てくださったのですか?」
お返事がないので推理をしてみたら、これしか浮かばなかった。
でもここは、侯爵家の中でもトップの地位と財を持つリッカズス侯爵邸。守りは盤石で、敷地に無断で立ち入ることすら困難ですわよね……?
((? ?? どうされたのかしら……?))
「……………………。そうだな。頃合いか」
心の中でも首を傾げていたら、ようやくマルク様が反応してくださった。
けれど、やっぱり理解ができない。わたくしの全身を見回した後、頃合いと仰る。その意図が、分かりませんわ。
「あの、マルク様。申し訳ございません。わたくしが現況を把握できるようにしていただきた――」
「書類の作成などがあり、オレは忙しいんだ。従者、代わりに説明を行っておけ」
なっ!? あのマルク様が……。いつもわたくしに甘い視線を送ってくださる、マルク様が……。
冷たい目ををされて、吐き捨てるようにして去ってしまわれた。
ど、どうなっているんですの……!?
「え……? え…………? な、なに……? なにが、起きていますの……?」
「「……………………」」
目の前にいる、大男2人。彼らに問いかけても返事はなく、ますます頭がこんがらがってしまう。
「わたくしを目にするたび身体に触れ、わたくしを楽しんでいたのに……。夢中、だったのに……」
触れることはなく……。それどころか、あんなにも淡白なリアクションをなさるだなんて。
「分からない。分からない。分からないっ」
だから更に頭の中がごちゃごちゃになって、おもわずよろけていると――っっ! リュックさんがやって来た!
なので大急ぎで彼に理由を尋ね、そうすると――………………。おもわず呼吸を忘れてしまうほどの返事が、やって来たのだった…………。
「残念ながらマルク様は、貴方に飽きられました。そのため本日付で夫婦関係は解消となり、本日中にこのお屋敷から去っていただきます」
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