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第11話 捜索の結果は 俯瞰視点(3)

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「なっ、なんなのだ!? 一体なんの権利があってこんなことを!?」
「卿。我々は、こういう権利があって動いております」

 ルレーラ侯爵邸。そこには大勢の治安局員が押しかけており、唖然となっている当主ロマンに対して許可証が提示されました。

「我々は正式な過程を経て行動しております。故にこちらの指示に背かれた場合は罪となります。くれぐれもお気を付けを」
「……………………」

 入れ替わりの件がバレた――。証拠になりそうなものを消すか隠すかしないと――。
 そんな思いがありますが、そうする隙はありません。

((頼む……! 頼む……!! 気付かないでくれ……!!))

 そのためロマンは心の中で手を組み、神に祈りを捧げますが――その願いが通じることは、ありません。

「…………日記発見し、『猫のニムール』に関する記載を確認致しました」
「こちらにも記載がありました」
「書庫にて、『猫のニムール』が登場する本を発見致しました」

 あっという間に複数の証拠が発見され、全員が改めて自称ロズリーヌはタチアナ・ルレーラなのだと確信しました。

「よし、次は入れ替わりに関する情報を探してくれ。卿を見るに、1階にはなく……2階にも、なさそうだな。地下を徹底的に調べるのだ」
「「「「「はっ!」」」」」

 眼球の動きから正確な位置を見破られてしまい、同じくあっという間。地下室にて、不思議な布が――毛髪が2本載った赤色の魔法陣がある縦横1メートルほどの真白の布が、発見されました。

「恐らくこいつを壊せば元通りになる、はずだが……。特別な手順を踏まなければ、取り返しのつかないことになる可能性があるか……」
「……………………」
「卿、素直に白状すれば温情が与えられるだろう。もし温情がなければ、極刑となるだろう」
「っっ!」
「それを回避したければ、吐け。どうすれば元に戻せる?」
「…………重ねられている毛髪を上から順に取り除き、布ごと魔法陣を破ればもとにもどります……」

 娘を裏切る形になるが、自分が可愛かった。ロマンは崩れ落ちながら白状し、治安局員によって作業が行われ――

「っ!? 戻り、ました……。わたしの身体です!!」

 ――ロズリーヌの精神は元通り、ロズリーヌの肉体に戻ったのでした。









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