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第12話 わたくしはいつも可哀想 オディール視点
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自分はなんて可哀想なのかしら――。わたくしは幼いころから、いつもそう思っていた。
だって、そうでしょう?
わたくしは容姿端麗、頭脳明晰。おまけに類まれなる才能におごらずちゃんと努力であり自分磨きを続けられる、人格者。
なのに、平凡な伯爵家の長女として生まれてしまっている。
本来なら侯爵――公爵クラスの娘として生まれるべきなのに、コレ。圧倒的に役不足で、こんな家に誕生させた『神』に常日頃苛立ちを覚えていた。
((ああ、可哀想。なんて、可哀想なの))
貴族の中でも上級もしくは最上級に居るべき美少女が、せいぜい中級レベルに居るだなんて。あまりに理不尽。
可哀想すぎて涙が出てくる。
((あるべき状況に変えなさい。変えられないのなら、時間を戻して1から人生をやり直させなさい))
いくらそう繰り返しても状況は変わらないし、時間が巻き戻りもしない。
だからもう、諦めた。神なんかにお願いするのはやめた。
自分の手で、本来あるべき日常を――わたくしに相応しい『地位』と『財』を手にすることにした。
((ジェレミーお兄様))
幸いにも生真面目で堅物だったお母様とは違い、お父様も似たような考えの持ち主だった。そんなお父様がファブリスおじ様に近づいていたおかげで、『金持ちの家の次期当主』かつ『次期商会頭』が幼馴染にいた。
((ふふ。お兄様は、絶対にわたくしのモノにしてみせますわ))
この人と結婚すれば、まあそれでも足りないのだけれど、一応は満足できるお金と地位が手に入る。だからずっと、お兄様がわたくしに惚れるように働きかけていて――いた、のに。突然邪魔者が現れてしまう。
((アマンディーヌ……!!))
よく分からない女と隣国で出会ってしまい、あまつさえ一目惚れをしてしまったのだ。
((この女と結婚する!? そんなの許しませんわ!!))
到底認められるはずがなく、わたくしはすぐお父様と共に手を打った。
しかしながら最終的にソレは失敗してしまい、万事休す――かと思われたけど、それで諦めるようなわたくしではない。すぐさま再度お父様と共に妙案を生み出し、実行し、今度こそ成功を収めたのですわ!!
((可哀想なわたくしを救えるのは、わたくしだけ。もうひと踏ん張りですわ、わたくしっっ! このままゴールしてしまいましょう!!))
この勢いを活かしてわたくしは走り続け、薔薇色の未来へと到達する明確なビジョンが見えた。
はっきりと、見えていた。
なのに――。
どう、なっているんですの……?
なぜ――
だって、そうでしょう?
わたくしは容姿端麗、頭脳明晰。おまけに類まれなる才能におごらずちゃんと努力であり自分磨きを続けられる、人格者。
なのに、平凡な伯爵家の長女として生まれてしまっている。
本来なら侯爵――公爵クラスの娘として生まれるべきなのに、コレ。圧倒的に役不足で、こんな家に誕生させた『神』に常日頃苛立ちを覚えていた。
((ああ、可哀想。なんて、可哀想なの))
貴族の中でも上級もしくは最上級に居るべき美少女が、せいぜい中級レベルに居るだなんて。あまりに理不尽。
可哀想すぎて涙が出てくる。
((あるべき状況に変えなさい。変えられないのなら、時間を戻して1から人生をやり直させなさい))
いくらそう繰り返しても状況は変わらないし、時間が巻き戻りもしない。
だからもう、諦めた。神なんかにお願いするのはやめた。
自分の手で、本来あるべき日常を――わたくしに相応しい『地位』と『財』を手にすることにした。
((ジェレミーお兄様))
幸いにも生真面目で堅物だったお母様とは違い、お父様も似たような考えの持ち主だった。そんなお父様がファブリスおじ様に近づいていたおかげで、『金持ちの家の次期当主』かつ『次期商会頭』が幼馴染にいた。
((ふふ。お兄様は、絶対にわたくしのモノにしてみせますわ))
この人と結婚すれば、まあそれでも足りないのだけれど、一応は満足できるお金と地位が手に入る。だからずっと、お兄様がわたくしに惚れるように働きかけていて――いた、のに。突然邪魔者が現れてしまう。
((アマンディーヌ……!!))
よく分からない女と隣国で出会ってしまい、あまつさえ一目惚れをしてしまったのだ。
((この女と結婚する!? そんなの許しませんわ!!))
到底認められるはずがなく、わたくしはすぐお父様と共に手を打った。
しかしながら最終的にソレは失敗してしまい、万事休す――かと思われたけど、それで諦めるようなわたくしではない。すぐさま再度お父様と共に妙案を生み出し、実行し、今度こそ成功を収めたのですわ!!
((可哀想なわたくしを救えるのは、わたくしだけ。もうひと踏ん張りですわ、わたくしっっ! このままゴールしてしまいましょう!!))
この勢いを活かしてわたくしは走り続け、薔薇色の未来へと到達する明確なビジョンが見えた。
はっきりと、見えていた。
なのに――。
どう、なっているんですの……?
なぜ――
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